こがねこう

綿入しずる

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十五歩 乗る

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 春の薫りを帯びた柔い風が吹く。祝詞が奉じられ、鳴杖が鳴る。金の尾コノオが一歩一歩進むほどに場が澄み渡るように感じられた。
 昨日の雨の名残でまだ水が捌けきらぬ畑に入って泥を踏んでも、金の尾のその眩さは翳らない。むしろそれが神々しさを感じさせて、一層熱心に拝む者がいるくらいだった。ぬかるみを避けて少し短くした裾から時折あの金色が覗くと、見守る役人や民衆が息を呑み声を漏らす。朱の裾と、掲げられた幣の色が記憶に刻むように映る。
 ――未だ見飽きる気がしない。
 人の目が多い儀礼の日には黙して真面目な顔をしている金の尾は、伝説の中から抜け出てきたように神秘的で厳かだ。寛ぎ俺たちと笑っているときとは雰囲気が違う。少し近寄りがたいほどに美しいものだった。
 ……あの男がああして俺に触れてきて好意を伝えさらには誘惑してくるのは、改めて考えると信じられないような……いや儀礼の場でこれは邪念というやつだろう。振り払って、なお視線は外せなかった。
 三度の礼で空気が少し解ける。用意された桶で濯いで、白さを取り戻した足が靴を履く。
「見すぎです」
「ん、ああ――いや限られた機会だろう。そう拝めるものではないぞ」
 横からのマユミの声への動揺は、昨日ススキに窘められたのを思い出したからに他ならない。見遣れば腹心の部下は公の場に向いた澄ました顔ながらも、俺に物言いたげな視線をくれていた。
 限られた機会だからと言い訳してもこれが――さて何度目だったか。もう改めて確認せねば分からなくなるくらいの回数は見守っていた。今日だけでも五度目である。今日はこれで終いだった。
「とはいえ五か所目ですよ。飽きんものですか」
「……お前たちは飽きたか?」
「……アオギリ様が本当に真面目に見守っておられるので、感心というか」
「俺に呆れていると」
 小声で交わし、ヤナギが迂遠に言って笑う。今日は彼らとイタドリを連れている。儀礼の要である金の尾と巫覡の他は毎度の参加ではなく賓館で待っている日もあるので、俺よりは同行した回数が少ない。俺だけが毎回見ている。のにこれだ。まあこれまでの様子も見知っているし、呆れるかもしれない。
 真面目に見守っている、つもりではあるがやはり見惚れてもいる。見て、しっかりと覚えておきたいとも思う。いずれ誰かに語り伝えるときにも記憶が鮮やかに蘇るように。または無いだろうこの行脚の日々を。そう思うようにもなっていた。
 靴を履きなおし立った金の尾を確かめ、気を取り直して引率の振る舞いをする。
「ご苦労だった。休憩は要るか?」
「いえ、日も傾きますのでこのまま戻りましょう」
「では帰りの支度を」
 歩み寄り声をかけるとススキは巫覡の二人も窺って首を振った。役人たちが列を組むのを待ち、その半ばに入る。俺たちは駆駒ククに跨り後ろについた。
 ススキは帰り道も真面目に鳴杖を突いて鳴らしながら歩いた。温泉で疲れがとれたのでよく歩けそうだとは朝の会話だったが、この時間にもまだ元気そうだ。今日も滞りなく、無事済んだなと思いながら駆駒に揺られて、その背や煌めく鳴杖の先を眺める。また見すぎていると言われぬように時折景色やらに目を外した。
 ――無事、と思っていたのだが、セキボクの町中へと入ったところで忙しない気配がした。出掛けた早朝よりも増えた民衆の視線を感じながら、伝わってくる報告を待つ。
「賓館の周りに見物が寄ってしまって、何やら喧嘩騒ぎになっていると。今兵が出ているそうですが……」
 走ってきた伝令の言葉を掻い摘んで、セキボクの担当者が俺を窺った。
「回り道……いや、まず俺の煙髯エゼンに来てもらうか。飛べる者が残っている。金の尾を迎えに来させよう。賓館にそのように指示を」
 大事ではなさそうだが金の尾の安全は確保したい。見物も何より金の尾を見に来ているのだから、居るだけで人だかりができるしそれがまた別の騒動を招く恐れもある。逆に、先に彼を送ってしまえば護衛や役人も気が楽だ。
 今回連れてきた兵は皆煙髯の扱いにも慣れているので誰かにと、また伝えに走ってもらう。さてすぐに来るかと案じる間にも前の人々の歩みが遅くなった。まだ人垣とは距離があるがこの先が怪しいらしい。
「一度止まるか。煙髯を待とう」
「――もう来たんじゃないか」
 追加の指示を呟いたところで、マユミに言われて顔を上げる。愛騎の緑青の身はすぐに見つかった。まっすぐにこちらへと向かい、兵が見物を制して空いた道の上に降りてくる。
「――早いな」
 白い髯を靡かせてドトウが嘶く。乗っていたのはハシバミだった。
「命じましたか。そう来るかと思っておりました」
 乱れた白い頭を押さえてそう笑う。外での騒動はこちらより待機組に先に伝わったのだろう。さっさと来たほうが何度も連絡を交わすより手っ取り早いのは間違いない。判断が早くて助かる。
「よしよし、では金の尾を先に帰そう」
「……」
「杖は置いていけ。落とすとまずい。――岩偶はいいな?」
「はい。平気です、多少は。他の方が連れ帰ってくれれば……座るのは、前ではなく後ろですか?」
 ススキを呼び寄せ促す。鳴杖を岩偶ガグに託した彼は臆せずドトウに歩み寄って――騎乗するハシバミと顔を見合わせて止まる。ハシバミの表情が見るからに狼狽えている。……こいつはこういうときに緊張する。ススキを――金の尾を抱えるような度胸がない。
「誰か別に抱えたほうがいいんじゃないか」
「誰かってお前……」
 駆駒や黒脚コキの背ならまだしも、空を駆ける騎に乗せるには慎重になる。そこまでは皆判断がついたが――マユミとヤナギも珍しく躊躇し、では自分がと進み出ない。もう金の尾の存在にも随分親しんだと思ったがそれでもこうか。見飽きたと言うくせに。
「いい、俺が後ろにつく」
 辺りのざわめきは増していた。煙髯の登場もまた見物の目を引いている。さっさと動くべきだ。俺が命じてしまえば誰かは決まるだろうが――ならばもう俺がやると駆駒を降りた。
「それなら安心だろう。引率が責を負う。お前は煙髯を駆るだけだ。――マユミ、一旦任せるぞ」
 言いきりススキを押し上げるようにして鞍に座らせ、自分も跨る。
 しかと引き寄せれば緊張しているのが伝わってくるし、前にも覚えのある布団のような尾の感触が足の間にある、金の髪が近い。
 ――昨日の熱も過ぎる。こんな、務めの最中で。
「よしいいぞ、行け」
 ハシバミは日頃より手順ばって丁寧な動作で煙髯を促した。ドトウのほうはあまりその緊張を酌まず騒ぐ人だかりの気配にも構わず、いっそ優雅に宙を駆け上がる。珍しい騎へのどよめき、歓声。それらを下に残して走る。
「――人があんなに」
 窓や屋根から見ている者も居た。その視線も潜ってすぐにそこらの建物を越えられる高さに至り――ススキが呟くのが聞こえた。
 視線を走らせて道を辿れば、確かに門前で群衆が固まって警備と揉めているのが見えた。賓館の前は行列を維持して通れるような状態ではない。これは煙髯を使って正解だった。
「……綺麗」
「……ああ、前よりいいな」
 ただ、まだ明るく、栄えた町の景色はよく見えた。なかなか美しい街並みだ。ススキは下の喧騒よりそちらに気を取られた様子だ。……そのほうがいい。慣れぬ者が下ばかりを見ると高さを意識してくらむ。
 斜陽が眩く、家々の屋根を染めて影を濃くする。そこらの水路や井戸から湯気が昇っているのがいかにも温泉で名高い州都セキボクらしい。先には丁度ミハカシ山が見え、此処からなら道成す石段や頂にある神廟の建物の様子も窺い知れた。
「あの辺、湯気が昇ってるの、なんだかドトウみたいですねえ」
 俺が体を押さえているので手を離す余裕もできたか、指差して暢気な声が言う。脇から温泉が流れ込んでいるのだろう、橋もかかった川の姿は確かに見ようによってはこの青い身の煙髯のようにも見えた。
 賓館も上から見下ろしてもやはり立派なものだ。本当に家より敷地も広い。
「……降りてよろしいですか?」
 ふと、別の――慣れ親しんだ部下の声がするのに意識を引き戻される。
 行き先は賓館だ。降りる場所を探さねばならないということもなく、出てきたところに戻ればいいだけだ。慣れた兵士が命じないと判断できないというわけではなく――
「――すみません浮かれてしまって。お勤めの最中だっていうのに」
「いいえ、飛ぶとまあ、気持ちも浮きますよね。ススキ殿は高いところも平気なんですね……」
「好きですね。わくわくします」
 縮こまった金の尾に気を使ったに違いない。前には約束もできなかった折角の空だが、言うとおり勤めの最中、皆待っているし下からも見られている。もう少しよかろうとはまさか言えなかった。
 あまり長く引っ付いていると余計なことを考えそうだ、と思うのも、既に余計に違いなかった。
「マユミに叱られる前に降りよう」
「はい、では」
 軽口混じりに命じればハシバミの声も少し軽くなった。寄り道はせず緩やかに高度を下げて賓館の塀の内へと入る。残っていたオウチやトガが役人たちと共に出迎えた。皆まずは金の尾の到着にほっとした様子だ。
「ご苦労様でした」
「御無事でなにより」
「外は本当に混んでいた。少し苦労しそうだ」
 ハシバミが伝える間に、手を貸したススキの足はしっかりと地を踏みしめた。これで一つ重要な仕事は済んだが、まだ完了ではない。
「今日もご苦労だった。先に休んでいるといい」
「……貴方は?」
「皆戻るまでは務めだ。道を空けさせてくる。お前たち、ついてこい」
 ――部下を従えて門を抜けると、朝は広く道を空けられていた通りはざわついていた。儀礼から戻る金の尾の姿を見ようと集まって通りを向いている者もいれば、何処に行ったらよいか分からなくなっている者も居るように見えた。警備に出ている兵や役人たちの牽制、それに文句を言う声が絶えない。
「道を空けよ!」
 深く息を吸って声を張れば一度静まり返った。
「奉勅の者たちである、阻むことはならん! 金の尾はもう中に入ったぞ、見物は次の機会にしろ! 道を空けよ!」
 さすがに俺に野次を返してくるほど威勢のいい者はいないようだ。あれは引率の将軍だ、でかい、灰の髪をしている、などと聞き慣れた囁きも混じる中、再び警備も動き出した。
 威圧してそろそろと動いた人垣を割っていけば道も出来――少し歩いて行った先のところでようやく金の飾笏や朱色の幣、月色の衣の巫覡たちが見える。
「ああ――将軍様にお出迎えいただけるとは。いやあ助かりましたわ」
「はあ、ありがとうございます……」
 サカキ殿はいつもの調子で冗談めかしたが苦笑いで、アズサ殿はもう覇気がない。儀礼そのものよりもこの帰り道で疲れた様子である。
「よし、全員居るな。入れ入れ」
 護衛と共に巫覡などを守って進んでいたマユミとヤナギは、疲労と言うよりも少し決まりの悪そうな顔をしている。そして駆けてきたイタドリの横では、ススキの代わりに鳴杖を持った岩偶が所在なさげに見えた。
「お前もご苦労。――彼女を金の尾のところへ連れてやってくれ」
「はい、……行こう」
 ぎこちなく促す小姓に頷きもしないが、鳴杖を捧げ持ったままちゃんとついていく。無事着いた。これで、一行と儀礼の道具が賓館の内に揃ってようやく一安心だが、まだ俺にはやることが残っている。
 中に戻る流れのまま休まず執筆の元へと向かう。今回は一室、彼女の仕事部屋になっている部屋があった。ソウを管理して書き物をする机があるだけの小さな書斎は、すぐに外に出て双を飛ばせるよう出入りしやすい位置に設けられている。だから大股に進めばすぐ、調子も削がれぬうちだったが。
「戻っ、たぞ……」
 待ち構えて扉を開けられた部屋に入ると目に飛び込む朱色に面食らう。
 先に休んでいるものと思った金の尾が、上着と口元の覆いを外しただけでまだ朱の服を纏い立っていた。浮かぶ双を両掌に挟み――戯れたままこちらを見て笑う。
「おかえりなさい。皆さん戻れましたか。よかった」
 驚いた俺に、奥に座したミズヒキと顔を見合わせて肩を揺らした。岩偶はまだ来ていない。珍しく、彼は彼だけだった。
「――戻った。報告は今しばらく、様子を聞いてからにする」
「はい、畏まりました。お疲れ様でございました」
 言いなおし、まずミズヒキに告げて息を吐く。……なんだか驚いて急に気が抜けた。
「……寛いでいてよかったんだが」
 折角先に帰したのだし、誰も文句は言うまいに。お仕着せのススキは双の身を撫で肩を竦めた。
「私だって他の方が戻らないのでは落ち着きません。皆さんも帰ってから心置きなく湯に浸かります」
「アオギリ様がまた外に出たので、私も長く待つやもと教えに来てくれたんです」
「空からの眺めがよかったと誰かに自慢したくて、ついでですが」
 彼が手を離すと、双は指令を待ってふよと頭を擡げて漂う。ミズヒキが指で輪を作って呼ぶとすぐに気づきその掌に行く。よく躾けられている。
「――けれど怖くはなかったですか? 煙髯だとかなり高いでしょう」
「案外平気ですねえ。将軍がしっかり抱えてくださったので」
 続く雑談の声は外の騒がしさとは打って変わって和やかだったが、有体な言葉には固まった。いや何も間違いでもなんでもなく、それは仕事として、当然彼が落ちぬようにとしっかり抱えたのだ。しかし改めて言葉にされたのを聞くと、昨日のこともあるだけに気になるというか……ススキは含ませたわけでもなさそうに、ただにこにことして機嫌がいいが。
「ああ。それは安心ですね」
 ミズヒキも普通に受け取っていつもの明るい顔で笑う。俺だけが一人で、今日一番落ち着かぬ心地になってしまった。

「それはお前たちが情けない。仕事の内だし、堂々と美人に触れられるのを役得と思わねば」
「……尾のご利益もありそうだしな、と、後では思うんだけどなあ。その場では案外躊躇うぞ」
「ハシバミが怯むからうつったんだ。お前たちが来てくれればよかった」
「……人の所為にするな」
 トガが詰り、ヤナギとマユミが言い訳してハシバミが言い返す。三日目となり少し落ち着いてなお贅沢な夕食の後、風呂も入って、部屋での酒盛りでは遠慮がない。
 現場で怖じた三名はいつもより歯切れが悪く、トガは情けない情けないと繰り返した。彼なら確かに揚々とこなしたかも知れぬ。が、それを気にして仕事を振るわけではない。その場に居る者ができなければ困る。今日のようなことがまた無いとは限らない。――それで毎度俺が抱えるのでは、やはり目立ってくる気もするし。
「次の機会があったらすぐ抱えられるように全員気構えしておけ」
 喧嘩になりそうなのも制して話を終わらせるべく言えば、彼らだけでなく皆の目がこちらを向いた。大声でもないのに静まり返る。
「……尾はあるんですよね」
 嘯いていたトガが訊くのに、何を今更と肯いた。いや、彼らにはまだそれくらいの距離感だったのか。俺が妙に知って、慣れただけで。ならばこれも仕方ないのか。
「本当にある」
「見たが、恐らくこれくらいはあったな」
 オウチが一抱えほどを手振りで示すのに、また皆黙った。およそ一月、金の尾と共に生活してきて、まったく見かけないわけでも、何かの折に触れないこともなかったのを思い出す雰囲気だった。
「俺もまるで緊張せんわけではないが。ただの尾だ。別に触れても何も起きん」
「いやただのではないでしょう」
 言えばマユミが揚げ足をとる。酒を乾して、思い出し、呟いた。
「瑞祥の金の尾だ。他人ひとのものらしく丁重に扱えばいい。……本人は、風呂の後に乾かすのが大変だとぼやいていたが」
 ――聞いて数秒。ハシバミはよく扱いに労している癖毛の頭に触れ、曖昧に笑った。
「……それは確かに少々、気安いな」
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