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-紅葉の天機人の一日-

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おはよう。

体調確認。いつも通り。

「うへへ、モミジちゃーん」

まだ寝てる姉さんもいつも通り。

さ、姉さんは置いて下いこ。



「モミジ、おはよう」

「はよー」

「あんたね、いつも言ってるけど挨拶はきちんとしなさいって言ってるでしょ」

寝起き早々リミから小言を貰った。

「親しみこめこめ」

「う・・・。だからって真似しないわよ私は」

にひ。勝利。

リミは言うことは厳しいけどなんだかんだで優しい。好き。

「あ、リミちゃん、モミジちゃん、おはよう」

「はよー」

「は、はよー?」

私の挨拶に一応あわせてくれるのがユキ。

ユキも優しい。でも芯は強い。好き。

「もーモミジちゃんどうして起こしてくれないのー!」

後ろから姉さんの声が聞こえる。

「姉さん、はよー」

「はよはよー」

姉さんはちゃんと乗ってくれるから好き。

私の朝はこんな感じ。



「そんなわけでー、今日も一日がんばりましょー」

「はい!」

いつものルミナテース様の一言で朝礼が終わる。

朝礼は一日の連絡をしたりする。大事。

「それじゃワカバ、モミジ。行ってくるわね」

「行ってきます」

「いってらっしゃい!」

「がんばー」

農作業に行くリミとユキを見送る。

私と姉さんは農作業に参加してない。

「今日は清掃の日だよ!がんばろうね!」

「おー」

代わりに私と姉さんは建物の清掃や整理を任されてる。

農業に興味が無いわけじゃないけど、こっちの方が得意。

さすがリミ。よくわかってる。

さ、今日はソウ様達が来るからさっさと終わらせよ。

だから姉さん、今日はくっつく回数減らしてね。



ソウ様達が来た。

初めての料理教室。楽しみ。

料理教室は先に座学がある。

サチナリア様が丁寧に説明してる。

サチナリア様はアリスさんより更に上。

でも前より好きになった。まだちょっと苦手。

ソウ様が何かしてる。気になる。

説明は姉さんに任せてそっちに行く。

じー。

作業の手が止まってこっち見てきた。

「気にせず続けて」

「気にするっつの。ちゃんとサチの話聞いとけよ」

「大丈夫。聞いてる。姉さんが」

姉さんはああみえてしっかりしてるから大丈夫。

それよりソウ様の作業が凄い。

ふおお、皮がみるみるうちに剥ける。

どうやるのかな。こうかな。

真似してたら良く見えるようにやってくれた。

ソウ様優しい。好き。



実習の後にソウ様が団子を作ってくれた。

中身は餡子。

甘いもの。好き。

「おぉっこれはなかなかいい刺激っ」

姉さんは辛いのに当たったみたい。

姉さんは辛いのが好き。ちょっと変態。

「この団子柔らかいねー」

「ん」

「モミジちゃんのほっぺとどっちが柔らかいかなー?」

姉さんが頬をつついてくる。

いつもの事だから、この程度じゃ動じない。

でもさすがにルミナテース様に捕まるとちょっと動じる。

あの体は暴力的。いろんな意味で。



夜はユキ、リミ、姉さんと私でいつもの料理研究会。

「モミジ、貴女皮むき上手になったわね」

ふふん。勝利。

「あっ!」

姉さん、食材真っ黒にするの何回目?

「・・・あれと組み合わせると・・・いや、それよりもあっちかな・・・」

ユキは料理スイッチが入っちゃってる。

今日の料理教室で新しいひらめきが一杯出たって言ってた。

多分今日はユキの新作攻めになる。

「モミジ、ちょっと手伝って」

「モミジちゃーん、みてみてー綺麗に焼けたー」

「モミジちゃん、ちょっとこの味見てくれる?」

「あいあい」

今日もみんなと一緒に居れて私は幸せ。
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