Ｓランクの男は如何でしょうか？【R18】※番外編更新中

第２章

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　モニターを覗くと大きなソファが映し出されている。見慣れたリビングの中央にはテーブルに突っ伏して眠る沙也加と、ソファでクッションを抱きかかえている匠が映っていた。二人は既に顔見知りの様に親しく、先日の鍵が開いていた事を考慮すると二人の接点は容易に想像で出来た。匠はああ見えて手が早いから会わせたくなかったが、今更どうしようもない。貴臣はため息を吐きながら、椅子の背もたれを大きく軋ませた。

　コンコン
「社長、よろしいでしょうか」

「＿＿＿入れ」

　扉を開けて入って来たのはグレーのスーツをスラリと着こなし、歩くたびに揺れるストレートの黒髪が印象的な美女だった。コツコツと歩くたびにヒールが鳴った。



「来客です」

「だれ「兄さん」

「・・・まだ許可していないぞ」

「すみません。ですが、どうしても今お時間をいただきたいです」

　美女に続いて入ってきたのは、ストライプのシャツにデニムを履き日焼けが印象的な青年だった。貴臣は短く息を吐き、美女に出ていく様に顎で示した。


　二人になった部屋の沈黙を破ったのは、青年の方だった。

「匠から聞きました。ご自身が何をしているか理解してらっしゃいますか？」

「声を落とせ。私に文句を言いに来たのか？　司」

「兄さんはまだ犯罪を重ねるのですか？」

「何の事だ？」

　貴臣の声は低く部屋に響いた。司は貴臣の答えに不服そうにこぶしを握り締めた。


「誘拐の次は監禁ですか？　貴方にとって女性は簡単な人形でしかないかもしれませんが、・・・非道だ。貴方のしている事は間違っている！」


「どうとでも言うがいい。私は、私の計画で動く」

「そうですか。では約束通り、俺は自由にさせてもらいます」

　司は貴臣を強く睨んでから部屋を後にした。残された貴臣は椅子をくるりと窓を向くと、壁一面の大窓から東京の街を見下ろした。その表情は、悲しげだった。






「・・・社長」

　背後からの女の声に貴臣は答える事無く、外を見つめ続けた。後ろからスッと伸びてきた腕は貴臣の肩に絡みつき、頬に長い黒髪がさらりとかかる。赤いルージュが似合う唇は、貴臣の肌を赤く染めた。