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第三章 掴んだ手を放すことは、許されないでしょう。
3-8
しおりを挟む恋人になるっていうのもな、、、
まだ状況が整理できないまま京を見て、手紙を見て、それをしばらく繰り返していると山辺先生の声がした。
「羽木乃ー。どこだー?」
やばいっ、今京は行方不明なんだった、なんて説明しよう。とりあえず一緒に風呂に入らない方向に、、、
どうせ京に事情を言葉で説明してもわからない。
そう思って京の唇に人差し指を立てて当てる。
「何にも言わなくていいから、何聞かれても何にも言わないで。」
そっと頷く京にそっと頷き返す。
「せんせっ、ちょっとこっち来て!」
ひそひそ声で山辺先生を呼ぶ。案の定声をあげて怒ろうとする先生を止める。
「先生。京、一緒にお風呂入れないの。」
続けて背中の焼印の話をする。もちろん見せてはいないがこれが京のコンプレックスとだけ伝える。
「わかりました。じゃあ消灯後、羽木乃君と高良さんはお風呂に入ってください。」
「えっ!?私も?」
「羽木乃君が高良さんにしか見せたくないのならしょうがないですよ。羽木乃君が1人で浴場から部屋に戻れるとは思いませんし、」
「わかりました。」
「じゃあ、他の班員には先にお風呂に入ってもらうように伝えておきます。2人はそれぞれ部屋に戻っておいてください。」
そのまま京を男子部屋に送り自分の部屋に戻る。
「美空ー、どこいってたのさぁー。」
舞が駆け寄ってきた。ヤバい、なんて応えよう。
「あのー、お腹痛かったの。みんなが寝てからお風呂は入るから、うん、大丈夫。」
「よし!布団しこっ!女子会だよ女子会!」
絆奈が女子をまとめる。さすが学級委員。
布団がしき終わりみんなで頭を揃えて話を始める。
林間学校では定番の恋ばなってやつだ。
消灯時間の9時までまだ時間がある。私も参戦する。
「絆奈は最近どうなの?橋本君と、」
そうだった、絆奈は数えるくらいしかいない朱羅橋中のカップル成立者だった。橋本海斗はうちのクラスの中でも京に次いで運動神経がいい、そんでもって系と違って頭もいいから後輩からも尊敬されてる。うちの学校は田舎町にあるから1学年1クラスしかない上に小学校からほとんどメンバーが変わってない。海斗と絆奈は小4の時からの大恋愛タイプのカップルだ。
「どうなのって言っても何にも変わらないけど。」
「この前図書館一緒に行ってたじゃん!」
「そうだけど、、、テスト前に勉強一緒にしてただけだよ。」
絆奈と海斗の話は羨ましいけどなんか憎めない。
「もー。私の事ばっかりー。じゃあ次美空ね!」
「あ、えーっと。」
言おうか言わないか、言ったら色々突かれるからな。
そう考えているとドアの方から声がした。
「あ、京くーん。」
半分くらいの女子がとろけた声をかけて襖の方を見る。
「どうしたの?」
絆奈がすかさず声をかける。
「美空、お 」
「あーーーわかったわかった。おっけ、行こ!」
お風呂なんて言われたらたまったもんじゃない。京と付き合っているのかばれるのは時間の問題だな。
「何?駆け落ち!?」
「違うよー。」
ざっとみんなをかわして風呂へ向かう。
「じゃあお風呂終わったらここにいてね。私ちょっと遅いかもしれないけど。」
「わかった。」
1人、女子風呂に行き、湯船につかりながら色々考える。
どうやって隠していこうか、そもそも隠さない方が上手くいくのか?っていうか京はどこから来たのか?わからない事がたくさんある事に今更気付く。ただ、不思議な事に付き合う事を了承した事を後悔してはいなかった。
まだ状況が整理できないまま京を見て、手紙を見て、それをしばらく繰り返していると山辺先生の声がした。
「羽木乃ー。どこだー?」
やばいっ、今京は行方不明なんだった、なんて説明しよう。とりあえず一緒に風呂に入らない方向に、、、
どうせ京に事情を言葉で説明してもわからない。
そう思って京の唇に人差し指を立てて当てる。
「何にも言わなくていいから、何聞かれても何にも言わないで。」
そっと頷く京にそっと頷き返す。
「せんせっ、ちょっとこっち来て!」
ひそひそ声で山辺先生を呼ぶ。案の定声をあげて怒ろうとする先生を止める。
「先生。京、一緒にお風呂入れないの。」
続けて背中の焼印の話をする。もちろん見せてはいないがこれが京のコンプレックスとだけ伝える。
「わかりました。じゃあ消灯後、羽木乃君と高良さんはお風呂に入ってください。」
「えっ!?私も?」
「羽木乃君が高良さんにしか見せたくないのならしょうがないですよ。羽木乃君が1人で浴場から部屋に戻れるとは思いませんし、」
「わかりました。」
「じゃあ、他の班員には先にお風呂に入ってもらうように伝えておきます。2人はそれぞれ部屋に戻っておいてください。」
そのまま京を男子部屋に送り自分の部屋に戻る。
「美空ー、どこいってたのさぁー。」
舞が駆け寄ってきた。ヤバい、なんて応えよう。
「あのー、お腹痛かったの。みんなが寝てからお風呂は入るから、うん、大丈夫。」
「よし!布団しこっ!女子会だよ女子会!」
絆奈が女子をまとめる。さすが学級委員。
布団がしき終わりみんなで頭を揃えて話を始める。
林間学校では定番の恋ばなってやつだ。
消灯時間の9時までまだ時間がある。私も参戦する。
「絆奈は最近どうなの?橋本君と、」
そうだった、絆奈は数えるくらいしかいない朱羅橋中のカップル成立者だった。橋本海斗はうちのクラスの中でも京に次いで運動神経がいい、そんでもって系と違って頭もいいから後輩からも尊敬されてる。うちの学校は田舎町にあるから1学年1クラスしかない上に小学校からほとんどメンバーが変わってない。海斗と絆奈は小4の時からの大恋愛タイプのカップルだ。
「どうなのって言っても何にも変わらないけど。」
「この前図書館一緒に行ってたじゃん!」
「そうだけど、、、テスト前に勉強一緒にしてただけだよ。」
絆奈と海斗の話は羨ましいけどなんか憎めない。
「もー。私の事ばっかりー。じゃあ次美空ね!」
「あ、えーっと。」
言おうか言わないか、言ったら色々突かれるからな。
そう考えているとドアの方から声がした。
「あ、京くーん。」
半分くらいの女子がとろけた声をかけて襖の方を見る。
「どうしたの?」
絆奈がすかさず声をかける。
「美空、お 」
「あーーーわかったわかった。おっけ、行こ!」
お風呂なんて言われたらたまったもんじゃない。京と付き合っているのかばれるのは時間の問題だな。
「何?駆け落ち!?」
「違うよー。」
ざっとみんなをかわして風呂へ向かう。
「じゃあお風呂終わったらここにいてね。私ちょっと遅いかもしれないけど。」
「わかった。」
1人、女子風呂に行き、湯船につかりながら色々考える。
どうやって隠していこうか、そもそも隠さない方が上手くいくのか?っていうか京はどこから来たのか?わからない事がたくさんある事に今更気付く。ただ、不思議な事に付き合う事を了承した事を後悔してはいなかった。
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