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第10章 クリスタルのドラゴン
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「じゃあ、この感じはクリスタルのドラゴンの力ってこと!?」
「そういうことだ。お前達がここに来る前にドラゴンの力をこちらの物にしていた訳だ」
既に力を奪われていたから、さっき戦ったクリスタルのドラゴンは弱体化していたということか。
しかし、あれで弱体化していたということは、本来の力はもっと強い力があるということか。
「ドラゴンの力を奪ったり、氷を溶かしたり、一体あなたは何者なの?」
目の前の者は、ローブを取った。目の前に現れたのは老人だ。
「弱体化してたとはいえ、ドラゴンに勝利したご褒美だ。我が名はチェン。お前達が以前戦ったローデンは我が同胞だ」
「ローデンの仲間・・・」
見た目が老人だが、以前戦ったローデンよりも凄まじい力を感じる。ドラゴンの力関係なしに強い。ジュン達は感じた。目の前の老人に今は戦いを挑んではいけないと。
「お前達のことは知っているぞ。そのレベルでローデンを倒した探検隊だろ?我が同胞達の間では要注意探検隊として有名だな」
ジュン達の間に緊張が走る。戦って勝てる気がしない。何とかして逃げる方法はないだろうか。今この状況を模索していると、チェンはジュン達が模索していることを察したようで
「お前達、今この場を何とかしようと考えてるみたいだな」
「な・・・」
「ふふふ、安心しろ。今この場で戦おうなんて思っていないさ。我が任務は達成してるのでな」
「このまま逃がすと?」
ジュンは大型剣を構える。
「止めておいた方がいい。お主、内心はビクビクしてるぞ」
「ぐ・・・」
ジュンがチェンに不安な気持ちを持ってることを見抜かれた事に驚いた。
「ここで相手にしてもいいが、今はこのドラゴンの力を持ち帰ることの方が優先でね。我はここから去るとしよう。もし、別の場所で我の任務を邪魔する時は、本気で相手となろう。それまで精々強くなる努力をすることだな」
一方的に言いたいことを言うと、チェンは再び魔法で消えた。
「ジュン・・・」
ジュンは肩を震わせていた。認めるしかなかった。確かにチェンに対して恐怖を感じていた。だが、勇気と無謀は違うということを思い知らされたジュンは悔しい気持ちでいっぱいだった。
「ローデンとは違って、別の恐怖を感じる相手だったな・・・」
「けど、戦いに挑まなかったね」
「ああ・・・悔しいけどアイツの言う通りだ。今戦いに挑んだら本当に負けていたかもしれない。僕の気持ちを見抜いていたよ、何もかも完敗だ・・・」
しかし、ルイーザはそんなジュンを見て、こう言った。
「けど、このまま終わるつもりはたいでしょ」
「そうだね。今回は負けたけど、次に会った時は絶対に勝つ!」
「その時は私もサポートするわ、私たち、相棒で仲間でしょ」
「ルイーザ・・・ありがとうな」
「やれやれ、私が居ることも忘れないでよね、あなた達が無茶しない為にここにいるんだから。けど、今回は戦いに挑まなくて助かったわ。もしそうなってたら無理矢理にでも止めたわよ」
「心配かけてすまない」
「本当よ、次に突撃する時は私達にもキチンと相談してよね、死なれたら困るんだから」
「分かったよ。気をつけるよ」
3人の絆を改めて確認した。仲間の素晴らしさを改めて感じたのだった。
「そういうことだ。お前達がここに来る前にドラゴンの力をこちらの物にしていた訳だ」
既に力を奪われていたから、さっき戦ったクリスタルのドラゴンは弱体化していたということか。
しかし、あれで弱体化していたということは、本来の力はもっと強い力があるということか。
「ドラゴンの力を奪ったり、氷を溶かしたり、一体あなたは何者なの?」
目の前の者は、ローブを取った。目の前に現れたのは老人だ。
「弱体化してたとはいえ、ドラゴンに勝利したご褒美だ。我が名はチェン。お前達が以前戦ったローデンは我が同胞だ」
「ローデンの仲間・・・」
見た目が老人だが、以前戦ったローデンよりも凄まじい力を感じる。ドラゴンの力関係なしに強い。ジュン達は感じた。目の前の老人に今は戦いを挑んではいけないと。
「お前達のことは知っているぞ。そのレベルでローデンを倒した探検隊だろ?我が同胞達の間では要注意探検隊として有名だな」
ジュン達の間に緊張が走る。戦って勝てる気がしない。何とかして逃げる方法はないだろうか。今この状況を模索していると、チェンはジュン達が模索していることを察したようで
「お前達、今この場を何とかしようと考えてるみたいだな」
「な・・・」
「ふふふ、安心しろ。今この場で戦おうなんて思っていないさ。我が任務は達成してるのでな」
「このまま逃がすと?」
ジュンは大型剣を構える。
「止めておいた方がいい。お主、内心はビクビクしてるぞ」
「ぐ・・・」
ジュンがチェンに不安な気持ちを持ってることを見抜かれた事に驚いた。
「ここで相手にしてもいいが、今はこのドラゴンの力を持ち帰ることの方が優先でね。我はここから去るとしよう。もし、別の場所で我の任務を邪魔する時は、本気で相手となろう。それまで精々強くなる努力をすることだな」
一方的に言いたいことを言うと、チェンは再び魔法で消えた。
「ジュン・・・」
ジュンは肩を震わせていた。認めるしかなかった。確かにチェンに対して恐怖を感じていた。だが、勇気と無謀は違うということを思い知らされたジュンは悔しい気持ちでいっぱいだった。
「ローデンとは違って、別の恐怖を感じる相手だったな・・・」
「けど、戦いに挑まなかったね」
「ああ・・・悔しいけどアイツの言う通りだ。今戦いに挑んだら本当に負けていたかもしれない。僕の気持ちを見抜いていたよ、何もかも完敗だ・・・」
しかし、ルイーザはそんなジュンを見て、こう言った。
「けど、このまま終わるつもりはたいでしょ」
「そうだね。今回は負けたけど、次に会った時は絶対に勝つ!」
「その時は私もサポートするわ、私たち、相棒で仲間でしょ」
「ルイーザ・・・ありがとうな」
「やれやれ、私が居ることも忘れないでよね、あなた達が無茶しない為にここにいるんだから。けど、今回は戦いに挑まなくて助かったわ。もしそうなってたら無理矢理にでも止めたわよ」
「心配かけてすまない」
「本当よ、次に突撃する時は私達にもキチンと相談してよね、死なれたら困るんだから」
「分かったよ。気をつけるよ」
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