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第10章 クリスタルのドラゴン

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3人は戦闘態勢に入った。
「ルイーザ、一応聞くが、アイツのデータがタブレットにあったりする?」
「さっき調べてみたけど、該当する情報はないわね」
「そうか、だったら戦いながら対策を考えるしかないか」
クリスタルのドラゴンはジュン達に気づいたのか、威嚇をする。立ってるだけがやっとなくらい勢いがある。
「すごい威嚇よ!これ本当に財宝を渡したドラゴンと同一なの!?」
「とりあえず、いつものように先手を打つ!」
ジュンは貫通効果のある拳銃の攻撃を試みた。その銃弾はドラゴンの翼に命中する。
ダメージはあるかもしれないが、そこまで効いているようには見えない。動きが鈍る様子はなさそうだ。
「これ、貫通攻撃のはずなのに効いてないな・・・」
「まあ、貫通攻撃は防御力を無視した攻撃ができるだけで弱点をつく攻撃じゃないもんね。とはいえ、ノーガードのダメージに顔色ひとつ変えないとか、かなりの精神力を持っているようね」
貫通技に頼っちゃダメということか。
「だったら、火の魔法攻撃はどう?」
ウェンディは火の魔法を放った。
クリスタルのドラゴンは翼の風で火の魔法を吹き返した。
「うわっ、あのドラゴン、私の火の魔法を吹き返してきたわ!?」
「あの翼、火の魔法を吹き返すくらいだから、物理的に当たるとかなり痛そうね・・・」
「そうなると、厄介なのはあの翼ということか。まずはあの翼を何とかした方が良さそうだね。ウェンディ、僕に防御魔法をかけて欲しい」
「別にいいけど、ジュンがやろうとしてることが分かってしまったのだが・・・」
そう言いつつ、ウェンディはジュンに防御魔法をかけた。
「サンキュー!」
そう言うと、ジュンは大型剣を装備した。そして、クリスタルのドラゴンに突っ込んだ。
「やっぱりか・・・」
ジュンはクリスタルのドラゴンの翼目掛けて、剣で狙った。
クリスタルのドラゴンも翼で対抗した。
「うわっ」
ジュンは吹っ飛ばされた。物理的にもかなりの威力を持っているみたいだ。
防御魔法のおかげで、そんなにダメージは無かった。
「いてててて・・・」
「全く、無茶するわね!」
「けど、分かったこともあるぞ、翼の傷を見てみろ」
ルイーザとウェンディはクリスタルドラゴンの翼に注目した。傷が2つある。一つは貫通技でつけた傷。もう一つはさっきの大型剣でぶつけた傷だ。
「あ!」
ルイーザは気づいた。剣で攻撃した方が傷が深いのだ。貫通技は防御力を無視した攻撃ではあるが、大きな攻撃力を持つ攻撃でもない。だが、防御を無視してる分、深い傷は負わせられる。
しかし、防御力を無視しない剣の攻撃の方が傷が深い。
「これって・・・」
「ああ、恐らくあの翼はそんなに防御力はない、普通に物理攻撃を決めることが出来れば、攻略できる可能性があるよ!」
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