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第8章 勇気の向こう側に

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ジュンの質問にローデンはどこか懐かしむような感じだった。
「そうですね。私はかつて冒険家として旅をしていた時期がありました」
ローデンは考古学を学ぶために専門の学校に進学。数年後に学校を卒業し、そこから先は文献を拡げるために旅をすることにした。学校で得た知識以外を得るために。この知識を世の中にどう役立たせるか考える為に。ローデンの旅は様々な発見をもたらしてくれる。ローデンは考古学を学ぶと同時に今生きる世界の謎を解きたいと思うようになった。
本当にローデンにとってその旅はとても充実したものだった。ジュン達がローデンの塔で手に入れたタグはそんな冒険の途中でだった。ローデンもこのタグの謎を解こうとしたが分からず。そんなある日、と出会う。その出会いが今思えば、明暗を分けたのだろう。
「そんなアンタが、どうしてギガロ達の仲間なんかに・・・」
「分かりませんね。それだけ、我々のボスに魅力があったのではないのでしょうかね。今となってはどうでもいいですけど」
すると、ローデンの体が下半身から石になってきた。
「お、おい!」
「まさか、ここにも薬を使った代償があるとは・・・君がどうしてそのタグの力を解放できたかは知らないが、君達のような探検隊にそのタグが渡って良かったよ。君達の旅の成功を祈る。さらばだ・・・」
ローデンはそう言い残して石となってしまった。その石はすぐに砕け散るのだった。
色々な謎が残った。一体、誰が冒険家だったローデンをこんな風に変えてしまったのか。そして、ローデンやギガロがいる組織は何者なのか。気になることはある。ただ、今言えることは、この戦いの終結がリフィリア王国の脅威の元凶だった者の最期となったことだ。
砕け散った石が風に乗って天に飛ばされていく。そんな様子を見た3人は祈った。彼が無事に天に召されますようにと。
「彼も被害者だったのね・・・」
「そうだな。けど、被害者だからといって道を踏み外していい訳じゃない。僕とルイーザが出会ったようにアイツにも仲間が居たら違った道があったのかもしれないね」
「そうね。彼が被害者だとしても私達にも負けられない戦いがあったのだから・・・」
こうして、鶴小島の戦いが終結した。リフィリア王国の騎士団とギルドの連合軍は被害が大きかった。それだけ大きな戦争となってしまったのだ。そして、これからは街の復興や、この街がこの異界でどうあるべきかを考えるなど、やることが沢山ある。ここからがこの街の人達の生き残る為の戦いが始まるのだった。
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