上 下
100 / 136
第8章 勇気の向こう側に

8–6

しおりを挟む
ローデンはジュンの大型剣を片手で受け止めた。
「なっ、片手で!?」
「あなたの持つ武器は攻撃パターンが分かりやすいのだすよ」
「受け止めたのはいいが、手から血は出てるみたいだな」
ウェンディが攻撃力を上げたおかげで、僅かではあるがローデンにダメージを与えた。
「ほお、あなたの攻撃なら片手で十分と思いましたが、そう言う訳にはいかないみたいですね」
ローデンはもう片方の手から風の魔法を放つ。
「させないわ!」
ルイーザが弓でローデンを狙い撃ちする。
「遅い!」
ローデンはジュンに風の攻撃をした後すぐにルイーザにもジュンと同じ攻撃をする。
「ジュン、ルイーザ!」
もろに風の攻撃を受けた2人。致命傷は避けたようだ。
「いてて・・・あいつ大型剣を片手で受け止めたよ」
前回の戦いでは盾しか出せなかったから、相手がどれくらいの力があるか分からないけど、見た目とは異なりパワーの方もかなりあるようだ。
「驚きましたね。前回、完膚なきまで叩きのめしたから消極的に来るかと思ったのですが思ったより積極的に来ますね」
「くそ、余裕かましてるよ、アイツ」
レベル4とレベル8はここまで差があるものなのか。ファランと違い、チャンスがなかなか無い。というか、弱点があるのかどうかさえ分からない。
ジュンはウェンディの方を向く。ウェンディの方も何も思いつかないようだ。
せめて、風の刃を攻略出来ればいいのだが。
「風の刃、攻略できるかも」
「え?」
ルイーザの意外な一言にジュンは驚いた。そう言うと、ルイーザは弓を構えた。ローデンは、風の刃をジュン達の方に向けて放つ。
「まさか、その弓で風の刃を撃ち落とすのか?」
「そのまさかよ!」
ルイーザはローデンの放った風の刃を全て撃ち落とした。
「すごい、よく撃ち落とせたりな」
「風の刃、見た目は速い動きだけど、コースは単純だったわ。私たちを狙うのは分かっていたし、そこに合わせて弓を放てば撃ち落とせるよ」
「凄いわ、よく、そんな方法が分かったわね」
その方法を思いついたのも凄いが、それを狙って落とすことをするこの命中率にも驚かされた。
「ほお、前回よりはやるみたいですね。ですが、私はこの風の刃を複数出すことができるのでね」
ローデンの翼から複数の風の刃が放たれた。前回は盾で防いだが全て防ぎきれなかった技だ。
「これなら、弓矢で全てを落とすことはできないでしょう」
「ジュン!」
「ああ、任せて」
ジュンは拳銃を撃った。必要最低限だけ撃ち落として、後はジュン達には当たらなかった。
「なんと・・・!?」
「一度、攻略法さえ分かればこっちのものだ」
複数の風の刃が相手なら、短時間で連続攻撃できる拳銃の方が弓よりは精度がいい。しかも、最低限だけ撃ち落として、さらにローデンに反撃した。
その拳銃の弾はローランの顔を逸れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

錬金術師カレンはもう妥協しません

山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」 前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。 病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。 自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。 それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。 依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。 王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。 前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。 ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。 仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。 錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。 ※小説家になろうにも投稿中。

【書籍化進行中】魔法のトランクと異世界暮らし

猫野美羽
ファンタジー
※書籍化進行中です。  曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。  おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。  それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。  異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。  異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる── ◆◆◆  ほのぼのスローライフなお話です。  のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。 ※カクヨムでも掲載予定です。

倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ
ファンタジー
 謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。  二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。  更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。  それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。  異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。  しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。  国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。  果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。  現在毎日更新中。  ※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。

さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~

みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。 生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。 夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。 なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。 きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。 お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。 やっと、私は『私』をやり直せる。 死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。

神様お願い!~神様のトバッチリで異世界に転生したので心穏やかにスローライフを送りたい~

きのこのこ
ファンタジー
旧題:神様お願い!〜神様のトバッチリを受けた定年おっさんは異世界に転生して心穏やかにスローライフを送りたい〜 突然白い発光体の強い光を浴びせられ異世界転移?した俺事、石原那由多(55)は安住の地を求めて異世界を冒険する…? え?謎の子供の体?謎の都市?魔法?剣?魔獣??何それ美味しいの?? 俺は心穏やかに過ごしたいだけなんだ! ____________________________________________ 突然謎の白い発光体の強い光を浴びせられ強制的に魂だけで異世界転移した石原那由多(55)は、よちよち捨て子幼児の身体に入っちゃった! 那由多は左眼に居座っている神様のカケラのツクヨミを頼りに異世界で生きていく。 しかし左眼の相棒、ツクヨミの暴走を阻止できず、チート?な棲家を得て、チート?能力を次々開花させ異世界をイージーモードで過ごす那由多。「こいつ《ツクヨミ》は勝手に俺の記憶を見るプライバシークラッシャーな奴なんだ!」 そんな異世界は優しさで満ち溢れていた(え?本当に?) 呪われてもっふもふになっちゃったママン(産みの親)と御親戚一行様(やっとこ呪いがどうにか出来そう?!)に、異世界のめくるめくグルメ(やっと片鱗が見えて作者も安心)でも突然真夜中に食べたくなっちゃう日本食も完全完備(どこに?!)!異世界日本発福利厚生は完璧(ばっちり)です!(うまい話ほど裏がある!) 謎のアイテム御朱印帳を胸に(え?)今日も平穏?無事に那由多は異世界で日々を暮らします。 ※一つの目的にどんどん事を突っ込むのでスローな展開が大丈夫な方向けです。 ⭐︎第16回ファンタジー小説大賞にて奨励賞受賞を頂きました!読んで投票して下さった読者様、並びに選考してくださったスタッフ様に御礼申し上げますm(_ _)m今後とも宜しくお願い致します。

救世主となった俺はサイコな白皙の巨乳美少女魔導師と世界を救うようです。

ともえどん
ファンタジー
カズキは、目を覚ますと異世界にいた。 「世界を救ったら、ボクの身体を好きにしていいよ」 救世主として、俺はこの異世界に転生させられたと語るちょっぴりサイコパスな白皙の美少女巨乳魔導師ジータは、俺に向かってこう言った。 「……では、世界を救った暁にはお前のおっぱいを頂こう」 この世界に蔓延る闇を払うため。 ジータの巨乳を拝むため。 漢(おとこ)カズキ、この世界を救います。

異世界召喚されたのは、『元』勇者です

ユモア
ファンタジー
突如異世界『ルーファス』に召喚された一ノ瀬凍夜ーは、5年と言う年月を経て異世界を救った。そして、平和まで後一歩かと思ったその時、信頼していた仲間たちに裏切られ、深手を負いながらも異世界から強制的に送還された。 それから3年後、凍夜はクラスメイトから虐めを受けていた。しかし、そんな時、再度異世界に召喚された世界は、凍夜が送還されてから10年が経過した異世界『ルーファス』だった。自分を裏切った世界、裏切った仲間たちがいる世界で凍夜はどのように生きて行くのか、それは誰にも分からない。

異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja
ファンタジー
 スラムの路地で、ひもじい思いをしていた一人の少年。  「あれぇ? 俺、転生してるじゃん」  殴られた衝撃で前世の記憶を思い出した少年。  異世界転生だと浮かれていたが、現在の状況は良くなかった。  「王道に従って冒険者からの立身出世を目指すか…。それとも…」  そして何を思ったか、少年は裏社会から異世界でのし上がって行く事を決意する。  「マフィアとかギャングのボスってカッコいいよね!」  これは異世界に転生した少年が唯一無二の能力を授かり、仲間と共に裏社会から異世界を支配していくお話。  ※この作品はカクヨム様にも更新しています。

処理中です...