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第7章 力ある者

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リフィリア王国の騎士団とギルドの連合軍の者たちはセトの合図で突撃する。人数は互角だ。目的はローデンを捉えるのと、リフィリア王国を狙う兵器の破壊。全てはリフィリア王国を守るために戦う。
その頃、ルイーザ探検隊のメンバー達は囚われてるリフィリア王国の人達を探す。
「ねえジュン。リフィリア王国の人達がどこに囚われてるのか分かるの?」
「うーん、分からん」
「え?」
「いや、そもそも自分が知ってる母校じゃないんだが」
世界の改変が起きてからまだ2~3ヶ月しか経ってないにも関わらず、久々に訪れた母校は変わりすぎていた。まるで監獄のような場所だ。ほとんど面影が無い。
「分からないものはしょうがないわね。とりあえず片っ端から調べてみようか」
「やれやれ、ルイーザのその前向きな姿勢は羨ましいわね」
3人は怪しそうな場所を片っ端から当たってみることにする。中はモンスターがウロウロしてるだけで、ローデンの仲間達はほとんどリフィリア王国連合軍を相手する方に配置されているのだろう。お陰で、人に気づかれずに探しやすい。モンスターなら気づかれれば倒せば良いだけだし。
しばらく探していると、いかにも怪しそうな扉を見つけた。どう怪しいかと言うと、この扉だけ明らかに造りが違うのと、扉の前には見張りがいる。ここに何かあるに違いないとジュン達は確信する。
「本当にいかにもという感じの場所ね。ジュン、ルイーザ、どうするの?」
「そうね、ワッフルが居れば問答無用に突撃するのだけど、リフィリア王国に待たせてるしなぁ」
ワッフルを連れて行くと、以前に舟堀タワーで作戦の邪魔をした事がバレてしまうから置いてきたのだ。これだけ目立つ動物を連れている探検隊は他にいないし。
ワッフルで突撃する案を諦めたジュンは別の案を思いつく。
「そうだ、ファランから手に入れたこれを使ってみよう」
ジュンはカードキーを取り出した。
「それをどうするの?」
「味方のふりをして近づく。少なくともこれを持っていれば味方と思われるんじゃない?」
「そんな、都合良くいくかな?もの凄く不安なんですけど」
「物は試しだ。幸い、向こうは2人しか居ないし、倒そうと思えば倒せるよ。アイツらが僕の方に気を取られているうちに頼むわ」
色々と不安だが、他に手は無さそうだし、一旦、ジュンに任せてみることにした。そして、ジュンは何気ない顔で見張りの人達に近づく。
「おい、なんだお前は!」
「?」
ジュンはとぼけた顔をする。
「いや、お前だよ。こんなところで何してる?」
「いや、何と言われても、敵を追いかけていたらいつのまにかここに来てさ」
見張りの人はジュンがカードキーをぶら下げているのを見て味方と判断する。
「なんだ、あんた、。残念だけどここには誰も来てないぜ?」
「え?そうなの?参ったな・・・」
「ご愁傷様。まあ、頑張ってリフィリアの奴らの足止めをしてくれよ。この中の兵器が完成すれば、アイツらは完全敗北だ」
「そいつは応援してるよ。で、戻る道はどっちだ?」
「メインの戦場ならあっちだぜ」
すると2人は、ルイーザ達がいる方と反対方向を向く。すぐさまにルイーザは2人に弓を放つ。
「うっ・・・」
見張りの2人は眠ってしまった。そして、寝ている2人を見てウェンディは呆れた。
「驚いた・・・まさか、こんなに簡単に上手くいくなんて・・・この2人がマヌケなお陰かしら?」
「何にしても作戦は成功ね!」
「ところで、何でコイツら眠ったんだ?」
「あー、私がルイーザの弓に眠り薬を塗ったから。これでも医者よ。そういうのは常備しているから」
「なるほどね・・・」
流石、ウェンディ。色々な意味で恐ろしい女性だ、味方で良かったとジュンは思った。
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