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第6章 戦える者達

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建物の頂上は、ただ広いだけで何もない場所だ。そんな場所に、後ろを振り向いてファランが立っている。
「お前達の事は覚えているぞ。以前、クルールと一緒にタワーに乗り込んできて、俺たちの計画をメチャメチャにした2人だな。ローデン様に倒されたと思ったが、まさか生きていたとは」
「・・・」
ファランから感じるのは以前クルールに倒された苛立ちとリフィリア王国を征服する計画をレーザー砲を破壊するという形で狂わせたジュンとルイーザへの憎しみ。そのせいで、ローデンに計画をそのまま奪われてしまう。ファランにとってジュン達に恨みを晴らそうとする理由は十分にあった。
「クルールに恨みを晴らすことが出来ないのは残念だが、代わりにお前達で晴らそうか」
「クルールの代わりにお前に引導を渡してやるよ」
「ホザけ!レベル4のお前達のに何が出来る!」
ファランがジュン達に向かって突っ込んで来た。ウェンディは防御壁の魔法を出した。それで何とか一撃目は耐えた。
「ほお、魔法を使う仲間が居たか。だったらこの攻撃はどうやって防ぐかな?」
次にファランは防御壁の無い反対方向から攻撃を仕掛けてくる。
ジュンは剣でウェンディを守った。素手で剣を受けたにも関わらず、攻撃を防いだ反動は凄まじかった。反動でジュンが吹っ飛ばされる程だ。
「ジュン!」
「いてててて・・・だ、大丈夫だ」
「ほう、2度も俺の攻撃に耐えるとはな」
「ちっ、余裕かましてるみたいだな」
サポートメインのウェンディ、本来の武器が扱えないジュン。条件が不利すぎた。
「ルイーザ、どう?」
「ダメ、あいつを攻略する方法が見つからないよ」
ルイーザは2人が攻撃を防ぐ様子を観察したが、何かヒントになりそうな行動が無かった。
「当然だ。俺はギガロ様配下、ナンバーズの1人のファランだ。お前達の雑魚に負ける通りは無いんだよ」
「くそー!」
ジュンはファランに向かって剣を振る。しかし、呆気なく回避された。ジュンにとって普通サイズの剣は扱えないことはないが使いこなすほどの腕ではない。ただ、無闇に棒を振っているようなものだ。
「その武器を全然扱えていないみたいだな。それに以前は別の武器を扱っていなかったか?」
ファランは察した。そして気づいた。ジュンが本来の武器で戦っていない理由について。
「なるほどな。以前、ローデン様から精神的な攻撃を受けたのか。それで本来の武器を扱えない。そんなところか」
「ぐっ・・・」
「こいつは、愉快だな。そんな状態で俺に戦いを挑むとは舐められたものだ」
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