探検隊ルイーザと不思議な物語

第4章 占拠された街

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「まさかとは思ったけど、これは前の戦いで死にかけたことでトラウマになってるわね」
2人のリハビリの様子を見ていたウェンディが2人のところにやってきた。
ウェンディは、2人の様子が気になったのだ。傷は治したが、本当に回復したのだろうか。嫌な予感はしたが当たってしまうとは。
ウェンディは2人に状況について説明する。
「ジョブを持つ人の武器というのは戦いの記憶も持つと言われてるわ。つまり、前の戦いの記憶を持ってる2人の武器に触れたことで恐怖を思い出しているのよ」
ジョブを持つ者の武器というのは所有者と一心同体ということだ。武器というのは名ばかりで、実際は自分自身の持つエネルギーのようなものを出して戦う。だから武器自身にも戦いの記憶が刻まれていくのだ。
「けど、勝つ事もあれば負ける事もあるわ。前の戦いで酷い目にあっただけでそこまで恐怖を思い出すものなの？」
そう、勝負に勝敗があるのは当然。負ける度に、恐怖を感じてたら人は成長はすることができない。
「普通は無いわ。自身のエネルギーを使って戦うとは言え、感情のような心に干渉した攻撃なんて聞いたことはない。あるとしたら別の問題かも。例えば、受けた攻撃が何か心の方にもダメージを与える効果があったとしたら・・・」
そう、ローデンの羽の刃には、肉体的ダメージだけでなく、精神的にダメージを与える効果があるということか。それならジュンとルイーザが何か分からない恐怖を感じていることに説明がつく。
ただ、問題は・・・
「心のダメージは医学的に治せるものではないわ。自身で乗り切らなければならない問題よ・・・」
この恐怖はジュンとルイーザで克服しなければならない問題。
「ははは・・・これは厄介な話だね。心のダメージか。随分と高いハードルが用意されたものだ」
笑うしかなかった。命が無事で安心してたら、心のダメージとかいう罠があったとは。これ以上おかしい話は無かった。
「けど、この恐怖の正体が私たちの心の問題だっていうなら乗り切るしかない、そうよね？」
「そうだな。これを乗り切らないと、僕らの冒険が終わってしまう。そんなことは絶対にさせないさ」
このコンビは強いな。精神的な攻撃を受けてもなお乗り切ろうとする姿勢。彼らならもしかしたらこの状況を打破するのではないか。ウェンディはそう思った。