探検隊ルイーザと不思議な物語

旅立 マス

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第3章 冒険の始まり

3–4

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ジュンは襲ってきたゴブリンの一体を銃で倒す。ルイーザも短剣を装備して別のゴブリンを倒す。
「ジュン、この包囲網だとワッフルが加速できないから体当たりができない!」
ゴブリン達の距離が近いせいでワッフルが走るための距離が足りなかった。
「なるほど。だったらここは僕らの力で乗り切るしかないみたいだね」
しかも2人にはトルクを守りながら戦うというハンデがある。しかもこの数。状況はこちらがかなり不利だ。
それでも一体一体確実に倒していく。
「たった2人相手になに手間取ってる!どんどんかかれ!」
ハイゴブリンは数の暴力で2人を追い詰めようとする。一体ずつなら大した強さではないので何とかなるが、やはり数が多すぎる。せめて、突破口があればいいのだが。このままだとジュンとルイーザの体力が尽きてしまう。
周りに打開策がないか調べてみるとあった。
「ルイーザ、合図を出したらワッフルを走らせることはできる?」
「距離さえあれば何とかなるわ」
「分かった」
そう言うと、ジュンはある方向に向かって銃を何度も撃った。その方向にゴブリン達は居ない。
「ふん、どこに向かって撃っている?オレ達には当たってないが?」
ジュンが最後に撃った弾と同時に別の音がする。
ハイゴブリンに向かって木が倒れていく。
ルイーザはジュンの考えを読んだのか、さらにその木を火の魔法で燃やす。
「ちっ」
敵の群れが怯んだ。ジュンはその隙を見逃さなかった。
「よし、ルイーザ。今だ、正面突破だ!」
3人はワッフルに乗ってハイゴブリンがいる正面に向かってダッシュした。燃えてる木をぶっ飛ばす。さらにワッフルは加速してゴブリン達を次々と蹴散らしていく。これで相手の陣形を崩した。
「よし、このまま逃げるよ!」
「敵を全部倒さなくて平気か?」
「うん、今はトルクさんを安全に目的地へ送ることを優先に考えよう」
ルイーザの考えは賛成だ。まずは目の前の目的を達成させることを優先的に考えるべきだ。
それに、ゴブリンはともかく、あのハイゴブリンとかいうのは本当に強そうだった。
戦うにしても、トルクを守りながら戦うのは今の2人にとっては実力不足だ。だからと言って、そう言った戦いをしなければならない時がいずれは来るだろう。今回はあくまでも優先順位を考えた上での撤退だ。とにかく、ルイーザはワッフルをダッシュで走らせる。何とか相手が見えないくらいの距離まで突き放した。
最初の方はルイーザ達を追う感じではあったが、諦めたのか段々と姿が見えなくなった。
どうやら諦めてくれたようだ。
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