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第2章 旅の相棒

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ジュンの旅立ちの日。リュカはジュンの家まで見送りに来てくれた。
「お前さんには、可能な限り生きる術を教えた。後はジュン次第だ」
「ありがとう、色々と教えてくれて」
リュカに礼を言うと、リュカは笑った。
「このオレが教えたんだ。簡単にくたばるんじゃねえぞ」
「ああ、自分だってそう簡単にくたばるつもりはないよ」
「そうか。なら、これ以上はもう何も言わない。
 ここからはお前さんの冒険だ。行って来い。お前さんの冒険の旅へ」
「うん、行ってきます」
ジュンはリュカと握手をして振り向き前へ進んだ。

ジュンの冒険の旅が始まった。
旅の目的はリズが叶えられなかった異界の端を見つける旅。
そこに何があるのかは分からないが、今はこの世界で必死に生きる。
元居た世界では出来ないことをやってみよう。そう考えるのだった。

ただ、異界の笛の謎。始まりの異界を探すのも一つの目的だが、まずは両親を探してみようと思う。
この世界に居る可能性が出た。
世界の改編に巻き込まれたのは、ジュンの住む江戸川町だけではないらしい。
東京のあちこちがこの世界に巻き込まれたと言う情報をリュカから得た。
その巻き込まれた場所の中には両親が働いている場所もあるかもしれない。
その場所がなら簡単に行けるのだが、この世界だと、どこにあるのか分からない。
とにかく旅をしながら色々な情報を得つつ、探してみることにしよう。
色々な考えを持ちながら一歩、また一歩と前へ進む。

しかし、本当に別世界にいるのだな。
江戸川町を出たら、ただ広いだけの平原。
この平原自体はジュンが住む世界以外の場所のものなのだろう。
リュカが独自で調べた地図を見てみると「エドガー平原」と書いてある。
江戸川町の近くだから「エドガー平原」と名付けたのか。
まあ、名前の由来はどうでもいい。地図を広げた目的はそこではない。最初の目的地がどこにあるかだ。
現在、ジュンは水江という街を目指している。そこは、江戸川町の最寄駅がある街だ。
どうやら、世界の改編に巻き込まれたのようだ。そこに行けば何かあるという訳でもない。
ただ、近所だった場所だから知人が居るかもしれない。浅い考えではある。
仮に知人が居たとして、この1ヶ月どういう生活をしていたか。江戸川町のように、
世界の改編に巻き込まれた街が他にどれだけあるのか。まずは情報が欲しい。
情報を得ることで今後の旅の目的地とかも考えたいと思う。
地図を見る限り、水江の街に着くのに、あと数キロは歩かないといけないらしい。
このエドガー平原は思ったよりも広いようだ。
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