一條さんとにじっぴ！ 〜そのマスコットは気象予報士を愛しすぎている〜

欲にも体の火照りにも負けそう※

20※

　

「人肌恋しいんだろ？照れなくてもいいぞ。春はネコもヒトもさかりがつく季節だ」

「なに、言って……？！」

「局のクソ汚い野郎共は絶対にお断りだが、ワシオなら大歓迎だ。好きなだけいれてくれ……」

「いれるッ、てぇぇえッ！？」


　イバラは甘えるように鷲尾の肩に手を置いたかと思えば、耳穴にふーっと息を吹きかけた。

　実は耳が性的な弱点である鷲尾は、白目をむきそうなぐらいにゾクゾクと震えてしまう。

　イバラの声量でさんざん痛めつけられた聴覚が、今度は吐息でやさしくくすぐられる。
　そのアメとムチに気持ちよさを感じないわけがなかった。

　手のひらでおさわりされている部分もいっそう大きく膨れる。『こっちも気持ちよくなりたい』と言わんばかりにムクムクと主張している。


「シたくてシたくてたまらないんだろ……？」


　いまにも崩れそうな牙城を、イバラは容赦なく攻め上げる。


「僕を好きなだけめちゃくちゃにしていいんだぞ」


　唇が耳を食みそうなぐらいの距離でねっとりとしたささやき。
　ぴたぴたとした舌の動き。ねばりつく唾液。生々しい吐息。ありとあらゆる刺激によって脳が溶かされ──。


「早く」


　禁断の果実を食べてしまえ、と誘う。


　ごくん、と喉が鳴った。