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欲にも体の火照りにも負けそう※
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しおりを挟む「鷲尾く、ン……」
「は、はい」
「ワワワ、わしっ……ワシっ……ワ、ワシ……」
「は、はい?」
一條さんの一人称が『ワシ』になったんじゃないかと思うぐらいのワシワシ。
「わしわし、わし、ワシ、ワシッ、わわわ……」
いくら「はい」とうなずいても、ちっとも本題に入ってくれない。
手を離したいというニュアンスではなく、なにか打ち明けたいことがある風。
「わしっ……わひっ……」
夢みたい。
いや、この状況、夢そのものなのではないか──ここは夢のなかで、いいとこで目が覚めての夢オチなんじゃないか──そうか、これは夢か──今日のロケ疲れたもんな──きっと居眠り中の夢に違いない──。
ぼんやりと考えていた次の瞬間、一條さんがひときわ大きな声で「鷲尾くんッ!!」と叫んだ。ここが現実であると高らかに証明するかのように。
「は、ハイッ!?」
「も、ももも、もっ、もひッ!!!」
「もひ?」
「いやっ、も、もちっ、もっ、ちっ……もちっ……」
やっと先に進んだかと思えば、今度はもちもちに噛みまくり。
「もっ、もっ……ああもおおっ!!!!」
じれったそうに頭をブンブン振ったかと思えば、自分のほっぺをビターンとひっぱたいた。
そりゃあもう力任せに。
部屋全体にビィイインと反響するほどの凄まじい音だった。
自分相手によくそこまで力を入れられるなと引いちゃうほどの強烈ビンタ。
「……イッ、っううう!」
「だ、大丈夫っすか?」
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