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それでもゴールは相合傘の下
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しおりを挟む「一條さんはお兄にあげるから、にじぴたんはあおのもんね。4人で仲良く暮らそ」
「ばーか」
そんなのただの3人暮らしだ。
一條さんがどっちがどっちだか混乱するばかりの日々だ。ちょっと楽しそうだ。
間違えて葵とがっつりイチャついてしまうかも。それを鷲尾がうっかり見てしまうかも。
自分と同じ顔の人間が愛する人と絡んでいる──双子以外では絶対にできない体験──生で見るハメ撮り的な光景──そんなのだいぶドキドキするかも──って、妙な性癖をこじらせている場合ではない。
ふるふるっと首を左右に振り、正気を呼び戻す。
葵はグリーンパスタに夢中なので、鷲尾は真っ赤なピザに手を伸ばす。
冷めかけの三角形の頂点をつまんで耳のほうにむかってくるくると巻いた。
もともと具が少なめのマルゲリータ。最初のうちは糸を引いていたチーズもすっかり固くなっていた。
鷲尾にはピザを食べる度に考えてしまうことがある。
生地を皿から持ち上げたときに感じる裏側のほんのりあたたかくて、ふにゃふにゃした感触ってアレに似ている気がすると。
ほんのり湿り気があるのも生物っぽい。
ほふ、と歯を立てずに唇で挟むように大切に食すとたまらなく胸がときめく。イケナイ気持ちになる。
歯を立てるのを忘れ、うっかり舌を這わせている──誰かのものを想いながら。
(むなしい……)
ディレクターとにじっぴの二重生活で多少なりとも疲れているのかもしれない。考えがエロい方向にばかり流れていく。
「ねーねー! お兄は一條さんのどんなとこに惚れたのー?」
「は……?」
やらしいことを考えていた矢先にそんな質問──頬が熱くなる。
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