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それでもゴールは相合傘の下
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しおりを挟む「うわぁああああ!!?なにしてんのにじっぴ!!ダメでしょうがっ」
一條さんだけが大慌てでにじっぴに駆け寄った。
他のスタッフは『仕事しないで遊んでた罰だ』と言わんばかりに、鷲尾(葵)にニヤニヤと嫌味な視線を送り、放置プレイである。
「他の人に乱暴しちゃダメだよ! そんなにぶつかりたいなら、ボクにぶつかりなさい」
一條さんはまるでにじっぴの保護者のよう。ダメなものはダメと真面目にしつけている。
にじっぴ的には叱られてもどこ吹く風。『なんも悪いことしてないっす』と左右に首をかしげ、ハナくそほじほじ──鼻なんて無いけど。
「にぴはね、いちじょーさんがほかのオトコとおしゃべりするのはイヤなんだよぉ」
ケタケタと笑いながら今のにじっぴの気持ちを代弁してくれたのは、みっこちゃんだった。
さすが、にじっぴ推しを名乗るだけに通訳レベルが相当高い。
「えっ……あ、他のオトコと……? そ、そうなの? そうなの……かな?」
お叱りモードだった一條さんは、背筋から芯が抜かれたようにへにゃりと折れ曲がった。
にじっぴと同じ色をしたクリップボードで口元を隠し、照れ照れもじもじ。
「ヤキモチね!分かるぅ!」
「よっぽど好きなんだねぇ」
「ぐうかわっ!かわいすぎっ!」
「でもしゃべるのダメとか束縛ひどっ」
「愛重すぎ!」
真新しい制服姿の女子高生五人組が興奮したように、きゃあきゃあと騒いでいる。
これは願ってもない援護射撃。
にじっぴは葵と一條さんの視線が絶対に交わることがないよう、二人の間にむっくりと立ちふさがる。
ヤキモチそのものである。
まんまるに膨れたにじっぴは、いまや完全に焼いた餅の化身である。こんがりもちもち。
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