凛くんはダメな子ほど愛しすぎるオカン体質で色々と苦労するらしい

19 どうしようもないキス ※ end

23/25※

　

「凛くん……、はあ、だいじょ、ぶ……？」

「ハア、はっ、ん……」

　ほとんど同時に果ててしまった気恥ずかしさをぶつけるように、泣きながら抱き合う。
　つながりあったままの体はぐっしょりと濡れているのに、新たな熱に浮かされ続けている。

　しばらくそのまま無言でいた。

　俺は鶴見を、鶴見は俺を感じて、溶け合うことで生まれる悦びに浸っていた。絶頂とは別の、満たされるような幸福感。


　──これが愛なのだろうか。


「ねぇっ、ねぇ。……け、結婚しよっ、凛くんっ」

「は！？」

　愛なんてガラにもないことを考えた俺をさらに辱めるように鶴見は迫ってくる。

「ぼくと、結婚ひてっ！」

「なんでこんなタイミングで……つーか、まだできねぇ、だろ……」

「ずっとずっとずーっとこうやってそばにいてほしーからっ、結婚してくだひゃいっ」

「ったく。お前は極端すぎん──」

　さえぎるように、ちゅっ、と唇を押し当てられる。伝わってくるぬくもりは『分かってるから言わないで』と、悲しげ。
　鶴見が俺に激しく甘えてくるのは、一人ぼっちが辛いせいだろう。それなら──。

「……今度、うち来いよ」
「えっ」
「弟たちに、お前のこと紹介してやる。話はそれからだ」
「う、うひっ！　やだっ！　はずかしいっ！」

　全裸で股開いて抱き合ってる今の姿勢のほうがよっぽど恥ずかしいだろうに。こいつの感覚はよく分からない。