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・目の前のお兄ちゃんにもっと集中しなさい!(R18/ぷちケンカ)
ありえへん
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オレの腕から転がり落ちることなく無事にソファーにおりた優兄は、やっぱり恥ずかしそうに顔をホカホカさせていた。
「ううっ……弟にお姫様だっこされちゃうぼくって、情けない……」
「これからも優兄が好きなときにだっこしてあげるよ?」
「う、嬉しい。けど、不意打ちはやめてほしいな……ドキドキしすぎて心臓が、やばい……ううっ……」
優兄が力尽きたように、こてん、と横になった場所には具合よくオレの太ももがあった。
蒸したてのほっぺを両手でキャッチして、唇にチューと思わせてからのおでこチューのサービス。
優兄はあちこち真っ赤になりすぎて「もう許してぇ!」と悲鳴をあげる。両手で自分の顔をおおい、オレのキスをブロックした。
あまりにも照れすぎてそろそろ死んじゃうらしい。
「うううっ、ぼく……やっぱり間違ってた……」
「ん? なにが?」
「せんちゃんがナナフシ先生のことを好きになって、こっそり付き合ってるんじゃないかって疑ってた。先生がお見舞いに来たときからずっと……」
「まさか! オレとナナフシ!? ありえねーしっ!!」
「さっき阿須崎くんにも相談したら笑われちゃった。そんなこと絶対ない、ありえへんって。芸人人生かけてもいいでって言われたの」
アホ崎のくせに──。
でも、オレと優兄のヒミツの関係を一番よく知ってるアイツだからこそ堂々と全否定したのだろう。
アイツの芸人人生なんてたかが知れてるけど、一応感謝するべきか。
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