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・阿須崎くんと優太くん(友情)

フーーーーー

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 なんだか悔しい。知らず知らずのうちに開催された試合に負けたような感じだ。
 恥ずかしさと苦みが入り混じった感情が喉元で発火して、脳天めがけて一気に駆け上る。脳の真ん中がカッと熱くなった。

 しかし突如、フーーーッという冷たい豪風が耳元で巻き起こった。

「ひぃいいいいいいっ!?」

 右から左に抜けるような感触に、ぞわり、と首筋の神経が震える。

「だはははっ! まいったか、デカセン!」

「くそっ! キモいことすんなッ」

 振り返って睨みつけるとニタニタ笑う阿須崎が、フーフーと唇をとがらせていた。指をピストルっぽくして、銃口を吹くような謎の仕草つき。

 
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