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・これからどうするの?(もやもや)
弟の勘
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◆ ◆ ◆
すーはー、すーはー、すーはー。
深呼吸をたっぷりしてから玄関ドアをゆっくりと開く。
「おかえりなさいッ!」
オレがただいまを言う前に、ぴしゃんとした声が下から飛んできた。
首元までボタンぴっちりな白シャツ姿の優兄が目の前に座っていた。
機嫌良さそうにニコニコして、でも背筋はしっかり伸ばして正座している。
三つ指ついて旦那様を待っている大和撫子的な態度。こんなこと初めてでドキリとした。
「……た、ただいま……」
ずっとオレの帰りを待ってくれてたのだろうか──。
「テスト勉強いっぱいできたかな?」
「ぜんっぜん。俊也が邪魔して1ページもできなかった」
「ふふふっ。やっぱり!」
いや、そんなことをわざわざ確認するために玄関先で待ってたわけじゃないだろう。
何かある──。
家族としての長年の勘だ。ピンときた。
すーはー、すーはー、すーはー。
深呼吸をたっぷりしてから玄関ドアをゆっくりと開く。
「おかえりなさいッ!」
オレがただいまを言う前に、ぴしゃんとした声が下から飛んできた。
首元までボタンぴっちりな白シャツ姿の優兄が目の前に座っていた。
機嫌良さそうにニコニコして、でも背筋はしっかり伸ばして正座している。
三つ指ついて旦那様を待っている大和撫子的な態度。こんなこと初めてでドキリとした。
「……た、ただいま……」
ずっとオレの帰りを待ってくれてたのだろうか──。
「テスト勉強いっぱいできたかな?」
「ぜんっぜん。俊也が邪魔して1ページもできなかった」
「ふふふっ。やっぱり!」
いや、そんなことをわざわざ確認するために玄関先で待ってたわけじゃないだろう。
何かある──。
家族としての長年の勘だ。ピンときた。
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