瞳を閉ざした兄の世界に見えているのはオレだけがいい！

・マママママフィア！（家族団らん）

それはまるで

　
　お風呂場のほうではキャアキャアと騒いでいる二人の声が聞こえる。どっちもいい歳なはずなのに、プールで遊んでる子供みたいだ。

「うちってホント、変な家族」

「でもぼく幸せ。とっても楽しくて！」

　オレと優兄もあの二人みたいに、ずっとずっとずーっと仲良しでいられるだろうか──。
　多少の不安はあるけど、きっと大丈夫だ。オレはそう信じてる。

　全員が他人で、血のつながりが無い。なのに、互いに信頼し合って、妙な一体感がある。
　こういう関係って“家族”以外にどんなことばで表現したらいいのだろう──。

　そんな考えが頭をめぐったとき、あるワードが思い浮かんだ。

　すぐに『いやいや、それは無い』と心の中で笑って打ち消したものの──。

　もし、オレたちの関係を家族なんかじゃないと否定するヤツがいたら、その眉間に銃口を押し当てたっていい。
　まるでマフィアのように。




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