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・マママママフィア!(家族団らん)
シュールすぎる光景
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「どこの家だって何かしらの事情は抱えてるもんだ」
ナホちゃんはマフィアのボスみたいに口の端っこだけで笑った。
久しぶりの大黒柱のご帰宅だ。さぞかしダラダラとくつろいでくれるだろうと思ったのに、シックなスーツを着込み、首から白いストールを垂らし、ソファーにふんぞり返っている。
「でもウチ以上にゴチャついたのはなかなかいねぇだろうなァ」
オレのあたまのなかでは、ゴッドファーザーのテーマがぐるぐると響き渡っている。実際はゴッドマザーだけど。
四十路《よそじ》を超えたナホちゃんは体格的にもたっぷりとした貫禄もあって、ヒグマのよう。凶悪度合いがやばすぎる。
おまけに今日のアイメイクがパンダなみに濃い。目ヂカラがやたら強い。
「うん。ぼくもそう思う。ウチって相当変わってるよね」
「だろ? なのに世界中のどこの家族にも負けねぇまとまりがある。不思議なもんだ」
「たしかに。不思議だよねぇ」
優兄は真剣に答えてるけど、しゃべる度、口元に茹でたてのブロッコリーがむけられている。当然だけど、気づいてない。
シュールすぎる光景だ。
ブロッコリーはナホちゃんの大好物。気を利かせて用意したものの、まさかマイク代わりに使われるとは思わなかった。
「どこの家だって何かしらの事情は抱えてるもんだ」
ナホちゃんはマフィアのボスみたいに口の端っこだけで笑った。
久しぶりの大黒柱のご帰宅だ。さぞかしダラダラとくつろいでくれるだろうと思ったのに、シックなスーツを着込み、首から白いストールを垂らし、ソファーにふんぞり返っている。
「でもウチ以上にゴチャついたのはなかなかいねぇだろうなァ」
オレのあたまのなかでは、ゴッドファーザーのテーマがぐるぐると響き渡っている。実際はゴッドマザーだけど。
四十路《よそじ》を超えたナホちゃんは体格的にもたっぷりとした貫禄もあって、ヒグマのよう。凶悪度合いがやばすぎる。
おまけに今日のアイメイクがパンダなみに濃い。目ヂカラがやたら強い。
「うん。ぼくもそう思う。ウチって相当変わってるよね」
「だろ? なのに世界中のどこの家族にも負けねぇまとまりがある。不思議なもんだ」
「たしかに。不思議だよねぇ」
優兄は真剣に答えてるけど、しゃべる度、口元に茹でたてのブロッコリーがむけられている。当然だけど、気づいてない。
シュールすぎる光景だ。
ブロッコリーはナホちゃんの大好物。気を利かせて用意したものの、まさかマイク代わりに使われるとは思わなかった。
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