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・ゆっくりおさんぽしよう(ほのぼの)
幸せすぎる
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こんなこと考えちゃいけないのかもしれない。けど、優兄とぴったりくっついておさんぽできる現在がとても嬉しい。
子どもの頃みたいに堂々と手をつないで、決して離れないように商店街をめざして歩く。
一年前の今頃にはできなかったことができている。
いろんな意味で夢みたい。幸せだ。
「──せんちゃん、歩くのちょっと速い」
「あ、ごめん」
優兄の息が弾んでるのに気づいてなかった。テンションがあがりすぎてスピードアップしてたらしい。
「せんちゃんったらいつものクセで速くなっちゃったかな? 毎朝遅刻ぎりぎりだもんねぇ」
「はっ、違うし! 歩幅が大きいだけです! そう言う優兄は小さいからちょこちょこ歩いてヒヨコみたいで……、かっ、かわいい」
「悪口だと思ったのに褒め言葉だった! ……ありがとうっ」
「どういたしましてッ」
幸せすぎる。
優兄のためにのんびりゆっくりを心がけるけど、胸がドキドキするのに合わせてやっぱりまた速くなってしまう。
握った手も汗ばんできて、ふとした拍子にすべりそうになる。一秒たりとも離れたくないのに、そうなってしまわないか心配でヒヤリとする。
そんな緊張感は優兄にすべて伝わってしまうらしい。
信号待ちのタイミングで手を離されて「こっち持ってるね」と肘のあたりをつかんできた。
新郎新婦の入場みたいなスタイル。
だとしたら、しましまの横断歩道は祝福のレッドカーペットだろうか。
そういえば優兄が握っている真っ白な杖も、上に掲げればキャンドルサービスっぽくなりそう。
結婚式なんて行ったことないくせに、なんとなくのイメージを栄養にして妄想が広がっていく。
──今のオレはちょっと、いや、だいぶ浮かれすぎかもしれない。
周りからもチラチラ見られている気がする。その真意はきっとオレがドギマギしている理由とは別の意味だろう。分かってる。
なのに緊張する。なにに緊張しているのか分からないけど、背筋がぴっと伸びる。
こんなこと考えちゃいけないのかもしれない。けど、優兄とぴったりくっついておさんぽできる現在がとても嬉しい。
子どもの頃みたいに堂々と手をつないで、決して離れないように商店街をめざして歩く。
一年前の今頃にはできなかったことができている。
いろんな意味で夢みたい。幸せだ。
「──せんちゃん、歩くのちょっと速い」
「あ、ごめん」
優兄の息が弾んでるのに気づいてなかった。テンションがあがりすぎてスピードアップしてたらしい。
「せんちゃんったらいつものクセで速くなっちゃったかな? 毎朝遅刻ぎりぎりだもんねぇ」
「はっ、違うし! 歩幅が大きいだけです! そう言う優兄は小さいからちょこちょこ歩いてヒヨコみたいで……、かっ、かわいい」
「悪口だと思ったのに褒め言葉だった! ……ありがとうっ」
「どういたしましてッ」
幸せすぎる。
優兄のためにのんびりゆっくりを心がけるけど、胸がドキドキするのに合わせてやっぱりまた速くなってしまう。
握った手も汗ばんできて、ふとした拍子にすべりそうになる。一秒たりとも離れたくないのに、そうなってしまわないか心配でヒヤリとする。
そんな緊張感は優兄にすべて伝わってしまうらしい。
信号待ちのタイミングで手を離されて「こっち持ってるね」と肘のあたりをつかんできた。
新郎新婦の入場みたいなスタイル。
だとしたら、しましまの横断歩道は祝福のレッドカーペットだろうか。
そういえば優兄が握っている真っ白な杖も、上に掲げればキャンドルサービスっぽくなりそう。
結婚式なんて行ったことないくせに、なんとなくのイメージを栄養にして妄想が広がっていく。
──今のオレはちょっと、いや、だいぶ浮かれすぎかもしれない。
周りからもチラチラ見られている気がする。その真意はきっとオレがドギマギしている理由とは別の意味だろう。分かってる。
なのに緊張する。なにに緊張しているのか分からないけど、背筋がぴっと伸びる。
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