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・ひとりぼっちの土曜日(微R15/ヤキモチ)

なってねーよ!!

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「本来はキスのときにこれを唇の間に挟んで、ふたりで舐め合いながらいちゃいちゃするもんらしいで」

「……う」

 想像してしまった。
 ねっとりと絡み合う舌と、ストロベリーの味がする甘いキャンディ。
 流れ出る唾液には催淫剤が入り混じる。
 互いのそれを甘美な蜜ようにすすり合い、からだは次第に獣のように熱く発情して──。

 やらしすぎる。


「ヤる気になったか。顔真っ赤。デカセンのあそこがでっかくなっちゃった!」

「なってねーよ!!」


 マジでいい加減にしろとにらみつけようとした瞬間、


「ほら」

 目の前に突き出されたのは薄汚いぼんやりフェイス──ではなく、点のような目と口のような線。

 汚れひとつない真っ白なふわふわ。
 さっき取りそこねたぬいぐるみ──のさらに大きいバージョン。
 両腕いっぱいに抱きしめられるぐらいのビッグサイズ。

 いつの間に──いや、相手はゲーセンの主。
 これぐらい朝飯前なのだろう。

 おどろき半分で素直に受け取るオレを見て、とても満足そうだ。


「それはゆったんにプレゼント。……あとこっちはお前に」


 ラブラブストロベリーキャンディを箱ごと手に握らせてきた。
 甘ったるさを超越しすぎてとても下品な香りがむわっと広がる。脳天に突き抜ける。

 
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