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・ひとりぼっちの土曜日(微R15/ヤキモチ)
グズグズくずっ!!
しおりを挟む「これなに……いちご……?」
「ラブラブストロベリーキャンディ。催淫剤入り」
「さ、い……、──っはあああ!?」
「飲み会で先輩にもらってさ。外国のジョークグッズだって。どーせニセモノだし、右手が恋人のオレには必要ねえから、ゆったんに何個かあげてさ。とっても美味しいって喜んでたぞ」
「催淫剤って言ってないんだろ」
「やっだもー! あったりまえやーん!」
「クズ! グズグズくずっ!!」
こいつはやっぱり最悪だ。
優兄はなんにも分かってない。こんなクズ、付き合ったっていいことなんて一つもない。
復讐だ。胸ぐらをつかんで投げ飛ばしてやりたい。敵討ち。せめてビンタだ。
しかし、手を振りかざしたところで綿ぼこりのようにひらりと逃げられてしまった。
「ひひひっ、まだ何個か余ってんよ。あげよっか? 今夜はお前からお返ししたらどうだ?」
「……っ」
フラッシュバックするのは、昨晩の優兄のメロメロでとろとろな姿。
感じすぎて全身ビクビクしまくって、もっともっとっておねだりしてきた。
真面目で恥じらいの深い優兄があんな風に乱れることはめったに無い。
ふだんは抑えがきく優兄であれなのだから、通常でもたまに加減が狂ってしまうオレなんかが飲んだら──。
「どーしたどーした? 顔色が変わったなあっ! 欲しいんやろ? チョー欲しいって言えよ。若いからってエロを惜しむな! どんどんヤってけ!」
「声がデケェよ! クズ芸人!」
やっぱりだめだ。
コイツにこんなものもらったって嬉しくない。
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