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・お兄ちゃんだって甘えたいんです(R18/誘い受け)
ぶはああっ!?
しおりを挟む──めずらしい。
オレが甘えてしまうのはよくあるけど、優兄が自分からぺたぺたしてくるなんてレア中のレアだ。
どうしたんだろうと、ちょっと心配になったときだった。
「……ねぇ、せんちゃん」
ヘソの上で組み合っていた優兄の指に、きゅっと力がこもった。ひときわ強く。
「あとで、いっぱいチューしてほしいな」
「え!? ……あ、うん」
まさかのおねだり。
頭のてっぺんがピリつくほどびっくりしたけど、あんまりおどろくと優兄がショックを受けちゃうかもしれない。
「分かった。キスね」
“そんなことか”的なリアクションをとってはみたものの、心臓は正直。
吐きそうなぐらいにバクバク鳴ってる。
「あとね、あと、あとぉ……、む、むりだったら、別にいいんだけどね……」
優兄の指はどんどん力がこもっている。ヘソにあった手がだんだんせり上がって、みぞおちに入って、ちょっとしたプロレス技みたい。
マジでさっきのシチューを吐いちゃうかもしれない。
「うん。なに?」
「……あの、あの……、……えっち、したい」
「──ぶはああっ!?」
オレがあまりにも大声でおどろいたせいか、優兄は急に恥ずかしくなったらしい。
ぽかぽかのやさしいぬくもりが、沸騰して水蒸気が出そうなぐらいにカーッと熱くなった。
「なっ、な、なななななんかね! ずーっとそういう気分でねっ! も、もももももちろん、せんちゃんの気分がノったらでいいんだけどっ!」
もじもじアワアワしながら、とんでもないことを早口でカミングアウトしてくる。
すごすぎて、やばい。卒倒しそうなぐらいの衝撃だった。
洗ったばかりの食器に鼻血を噴いてしまいそう。
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