はぐれ者と従順なバカ犬の蜜事

6

　

「どーせ死ぬんだろ？　ヤらせろよ」


　冷たくささやいた関口聖は、僕の肩をおもいっきりどつくなり、動けないよう壁におさえこんだ。
　背中の痛みにうめく暇もなく、滑り込んできた彼の指がファスナーをずり下ろす。
　彼の吐息が頬にかかった。荒くて、熱くて、明らかに興奮している。


「──っ！？」


　その瞬間、彼は本気で僕を犯す気なのだとやっと気づいた。

「いやっ！　いやだ！　なにするんですかっやめてください！」


　まだ出会ったばかりの相手に襲われ、抱かれるなんて──。


「おーっ、いいね！　エロいね！　もっともっと嫌がれよ！！」

　関口聖はまるでAV監督気取り。
　いいねいいねと褒めちぎり、僕の服を手際よく脱がせてくる。

　外気にさらされていく素肌が、寒さとこれから始まることへの恐怖でざわめく。