白い宮田きゅんも黒い宮田きゅんもどっちも大好きすぎてボクはもうヘンタイです!

雨宮くもり

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20 大好きだよ宮田くん黒宮くん

3【END】

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「フン。こんなものでワタシの機嫌は取れないぞ執事」

「もちろんでございます。ですが、坊っちゃんの振る舞いを長らく演技だと思い続けてきた……そのことへの罪滅ぼしがしたいのです」

「フン」

「ああもういいからっ! 早く食べちゃおうっ!」

 まんまるのホットケーキをはふはふと頬張れば、あったかい気持ちが胸の中からあふれてくる。
 みんなのこと大好きなんだなぁと思う気持ち。
 宮田くんのなかに黒さと白さがあるのなら、ボクのなかにはまんまるの気持ちしか広がっていないような気がする。どこも欠けることなく満たされている感じ。
 自分のことをネガティブでコミュ障だと思ってた。けど、大好きな人の前ではそんなこと関係なくなる。満月のようにパーフェクトだ。

「お前はのん気でいいな、アイス」

「うん! 二人に逢えたおかげ!」

「本当に変なヤツだ……」

 黒宮くんはそうボヤいて、マーブル模様のクッキーをお口に放り込んだ。
 しあわせそうにサクサクと音が立つ。
 ときどき何かに気づいたように「ササミの味がする」と眉間にシワを寄せつつも、「案外うまいかもしれない」と食べ続けていた。

 


「──祐希」

 あまりにも美味しくて、おやつはあっという間に食べつくしちゃった。
 お皿に散らばったカスを未練がましく追いかけていると、穏やかな声。

「あれ? 宮田きゅんに変わった?」

「彼は満足したようだ。だから、ワタシも何か食べたいなと思ってね」

「あっ、そっか! ごめんね! それなら、なにか残しておくんだったなぁ……」

「ふふふっ」

 音も無く立ち上がった宮田くんは、なんの躊躇もなくボクの背後に立つ。
 そして髪をさらりと撫でて、耳の後ろに、ちゅっとキスをくれた。

「ん」

 アップルパイよりも遥かにとろとろで、ねっとりと甘い感触──。

 

「……さっきの続きをしようか」

「ふぇ!?」

「ワタシのデザートになっていただけるかな、くん」

「きゃあああ!」

 耳をつぅううっとなぞられて、首筋をれろれろされるとボクはもういっぺんに溶けちゃいそう。目から脳みそが大放出されちゃう。

 ぴくんと腰が震えたボクを見て、フフンと喜ぶ鼻息。ますますくすぐったい。

「ひゃは、ひゃあああっ!!」

 たまらず逃げかけたところをぎゅううっと抱きしめられて、ますますぺろぺろ。
 もうハッピーがノンストップですよ。

 宮田きゅんからもアイス扱いされちゃうだなんて、恥ずかしい!
 でも胸がぐぎゅううううっと痛くなるぐらいに嬉しい!!


「お腹いっぱいになるまで、ぜったいに離さないよ」

「じゃー、ずーーーっとハラペコでいてくだひゃいっ!」

「ふふふふっ、もちろんだ」


 ボクの宮田くんと黒宮くんへの愛はフォーエバーエターナルウルトラスーパーエンドレスラブ。
 いちゃいちゃぺろぺろちゅっちゅしながら、いつまでもいつまでも幸せに暮らすことをここに誓い尽くしますっ。





       【おしまい】
 

 
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