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20 大好きだよ宮田くん黒宮くん
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しおりを挟む「宮田きゅん、とってもキレイ」
「そうだろうか……。会津くんにそう言ってもらえると嬉しい」
一ヶ月前に発売された泰介さんの作品集のなかには、宮田くんの裸体をキャンバスにした写真が載っていた。
ねじれながら育つ清らかな四肢に、漆黒の大きな葉がしげり、純白の小さな花が咲き乱れている。
その体に宮田くんと黒宮くんの二つの意識が宿っていることを視覚的に表現しているような、とても幻想的な作品だった。
この作品がきっかけで、泰介さんは世界からさらなる注目を集めるようになったらしい。
以前は部屋にこもって宮田くんを眺めながら作品構想にふける時間が長かったものの、今は新たなキャンバスを探す日々が続いているそうだ。
「良かったね。お父さん、ちょっとだけ素直になってくれて」
「ああ。とはいえ、完全に和解できる日はまだまだ先だろう。……だが、親子としての心の距離は以前より健全になったとは感じるよ」
宮田くんが自殺しそうなそぶりを一瞬見せたことで、お義父様の考えも少しだけ変化したらしい。
「父が留守の間は、何事にも縛られず自由に生きなさい」と許可をくれたそうだ。
「会津くんのおかげだ。キミがいなければ、わたしは自分の想いに向き合うことができなかった……」
「そんなことないよ! ボクはなんにもしてないもん! ただ、宮田きゅんと黒宮きゅんのことが大好きだっただけ!」
「会津くん……」
宮田くんは照れ臭そうにボクの頭をぽんぽんすると、ちゅっとほっぺにキスをくれた。
「一生かけてキミを幸せにするよ」
「ひゃああああああっ!!!」
「嬉しいかい?」
「うれぴぃいいいい大好きぃいいい!!!」
ボクたちはもう完全におバカなカップルだ。ちゅっちゅし合って、それでも足りなくて最終的には耳たぶまでハムハムし合う。
宮田きゅんのお耳の裏に鼻先をうずめると、気が遠くなりそうないい匂いがする。絶対にフェロモンだ。ボクはもう脳髄までどろっどろな気分。
「はあっ、はああ、徹斗きゅん……しゅきっ!」
「呼び捨てにしていいんだよ、祐希」
「きゃああああっ! てちゅどぉおおん!」
ついでにアソコはむくむくしてきそうで、ズボンをぬぎぬぎしようとしたときだった。
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