白い宮田きゅんも黒い宮田きゅんもどっちも大好きすぎてボクはもうヘンタイです！

18 大ピンチです！

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「穢すもなにもボクは身も心もとっくに宮田きゅんと黒宮きゅんのもので──しゅッぐ！？」

　その瞬間まであたまのなかのお花畑が超満開だったボクは、自分の身に起きた突然の出来事にロクな反応ができなかった。
　自分がなんで変な声を上げたのかわけも分からぬまま、痛みのような快感のような違和感の正体をおそるおそる見下ろす──。


「貴様は去勢だ」


　片頬だけでニィッと笑った泰介さんは、ボクのおたまにナイフをあてがっていた。

　

「ぎゃ、……あっ、う、……あ、あの……」


　なーんちゃって！
　立派なサバイバルナイフに見えるけど、実は超硬くて薄っぺらい最新型の高性能バイブでしたー！
　──っていうエロスドッキリを期待したけど、待てど暮せどナイフはナイフのまま。


　玉どころか枝をスパスパ切るのにも大活躍しそうなナイフ。
　あてがわれるほどゾクゾクしちゃうほどに冷たい。体温が奪われていく。

　──まあ、あとほんのちょっとだけ横に滑らせたら、体温以上のモノも奪い去ってしまうんだけどね。アハハハ。


「安心しなさい。わたしにも慈悲の心ぐらいはある。去勢の代償として、徹斗と愛を交わすこと自体は目をつぶってやろう。だが、貴様の吐く薄汚い体液であの子の肌を染めることだけは赦さん」

「そ、染めっ、染めないっ……、ぼ、ボク、絵の具じゃないん……れすぅっ……」

「いかにも。貴様の体液は絵の具などという純粋《ピュア》なものではない。もっと品が無く、質も悪い、触れた者を不快にさせる──ヘドロだ」

「へぉおおおぅっ……」

　

　耳の奥で心臓がバクバク弾んでいる。

　全身の臓器が泰介さんのナイフから逃れたがって頭のほうへとせり上がってくる──そんな感じの気持ちの悪さで吐きそうだ。


　でも今この瞬間におぇっとリバースしてしまったら、ついでに胃袋まで切除されてしまうかもしれない。
　そんなの嫌だ。絶対にいやだ。

　でも、男子としての大事な袋が取られてしまうのはもっといや。

　お義父さま公認で宮田きゅんとちゅっちゅパンパンできたって、ボクだけぴゅっぴゅできないだなんて悲しすぎる。

　穴のほうは塞がれるわけじゃないからいくらでもアンアンできるかもしれない。
　けど、ネット検索で掘り当てたお宝をオカズにしての夜な夜な自分磨きはできなくなってしまう。
　そんなのいやだ。絶対にいやだ。



「宮田きゅうううんんん助けてぇええええ！！！」