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10 ハジメテあげちゃいました※
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◆ ◆ ◆
翌日、広すぎるベッドで起きたら宮田くんはもういなかった。
朝ごはんにはサンドイッチが用意されていた。いかにも写真映えしそうな茶色くてふかふかなベーコンレタスサンド。
有り難くもぐもぐしながらお母さんに連絡したら「お友達の家に泊まったんでしょう?」と話が通っていて、びっくり。
昨日のは本当に現実だったのかな──と、疑いつつ、天井からしたたる温水を浴びて時計を見たら11時過ぎ。
このまま家に帰って学校はサボるという選択肢もあったけど、なんとなく気が乗らない。
宮田くんがここにいないということは、いつものように登校してるんじゃないか。
(宮田くんってやっぱり真面目で素敵だな……。逢いたいなぁ)
すっかり恋しくなってしまった。
◆ ◆ ◆
学校は昼休み真っ只中だった。
目立たないようにそーっと教室に入ったボクは、思わず「ああ」と声を出してしまった。
またボクの席を占領して昼ごはんを食べてるやつらがいたのだ。
いつもボクがほっぺをくっつけているところに堂々と尻を下ろし、ギャハギャハと笑い声をあげている。口からはパンくずがぼろぼろ。
(しまった……。どうしよう……)
行き場がないまま、とりあえずカバンをロッカーに入れて意味もなく中身を整理して時間稼ぎをする。
(いやいや、こんなことをしてる場合じゃない。宮田くんを探さなくちゃ……)
自分の目的を思い出し、決意とともに顔をあげたときだった。
目の前を通り過ぎた、すらりと高い影。
嗅ぎ覚えのある雅な残り香に、襟足のあたりがぞくりと逆立った。触れられてないのに気持ちいい──昨日の夜の感触がありありと蘇る。
(やっぱり来てた……!)
思わずその肩に手をのばし、『宮田くん』と声をかけようとしたが、指は虚空を撫で、声もうまく出なかった。
肝心なときにひょっこりしやがるコミュ障気質が憎らしい。
けれど、さすが宮田くん。
艷やかな瞳は些細なことも見逃しはしない。ハッと見開き、振り返ってくれる。
翌日、広すぎるベッドで起きたら宮田くんはもういなかった。
朝ごはんにはサンドイッチが用意されていた。いかにも写真映えしそうな茶色くてふかふかなベーコンレタスサンド。
有り難くもぐもぐしながらお母さんに連絡したら「お友達の家に泊まったんでしょう?」と話が通っていて、びっくり。
昨日のは本当に現実だったのかな──と、疑いつつ、天井からしたたる温水を浴びて時計を見たら11時過ぎ。
このまま家に帰って学校はサボるという選択肢もあったけど、なんとなく気が乗らない。
宮田くんがここにいないということは、いつものように登校してるんじゃないか。
(宮田くんってやっぱり真面目で素敵だな……。逢いたいなぁ)
すっかり恋しくなってしまった。
◆ ◆ ◆
学校は昼休み真っ只中だった。
目立たないようにそーっと教室に入ったボクは、思わず「ああ」と声を出してしまった。
またボクの席を占領して昼ごはんを食べてるやつらがいたのだ。
いつもボクがほっぺをくっつけているところに堂々と尻を下ろし、ギャハギャハと笑い声をあげている。口からはパンくずがぼろぼろ。
(しまった……。どうしよう……)
行き場がないまま、とりあえずカバンをロッカーに入れて意味もなく中身を整理して時間稼ぎをする。
(いやいや、こんなことをしてる場合じゃない。宮田くんを探さなくちゃ……)
自分の目的を思い出し、決意とともに顔をあげたときだった。
目の前を通り過ぎた、すらりと高い影。
嗅ぎ覚えのある雅な残り香に、襟足のあたりがぞくりと逆立った。触れられてないのに気持ちいい──昨日の夜の感触がありありと蘇る。
(やっぱり来てた……!)
思わずその肩に手をのばし、『宮田くん』と声をかけようとしたが、指は虚空を撫で、声もうまく出なかった。
肝心なときにひょっこりしやがるコミュ障気質が憎らしい。
けれど、さすが宮田くん。
艷やかな瞳は些細なことも見逃しはしない。ハッと見開き、振り返ってくれる。
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