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8 抱かれる気はマンマン
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しおりを挟む「きみの愛でなければいけないのだ」
「えっえっえっエエッ!?」
そんな断言されても困る。
ちょっと待ってほしい。タイム。タンマ。ストップ。ストッピ。
(これってもしかしなくても告白……!? ボク、いま告られてる!?)
宮田くんを愛してやまないボクが、宮田くんに愛を教える。
それってめちゃくちゃ相思相愛じゃないか。
どうしよう。
ハッピーエンドだ。完結しちゃう。
ご声援ありがとうございました。
【完】
──いやいやいや、とっても嬉しいけど、まだ終わらない。終わらせない。だってまだ抱かれてない。どっぷりねっとり抱かれてない。抱かれてないのに終わりたくなんかない。
そう、抱かれる気は満々だ。
けれども告白されるなんてこれっぽっちも考えてなかった。
これから二人でエデンの園。
たわわの実りは突然に。
禁じられた愛の果実をペロペロはむはむし合うんだ。
ヘヴンすぎて心の準備が間に合わない。
「急かしてしまって申し訳ない。いますぐ返事をくれないか」
「えっ!?」
「わたしは、もう、これ以上……」
宮田くんはずんずん迫ってきて、ボクはずりずり後退って、ついに壁際まで追い詰められていた。
「あ……、の、……うううっ……」
もし、うなずいたらこの場で脱がされちゃうんだろうか。
もし、嫌だって言ったらネクタイで縛られて無理やり──とかも有り得ちゃう?
どっちの展開も捨てがたいけど、緊張と興奮で全身ベッタベタなのにシャワーを浴びれないままペロペロされちゃうのはちょっと──。
刺激、いや、塩気がだいぶ強いっていうか──。
「お願いだ会津くんっ!」
「はっ──、ひぃんっ!」
しんどそうに顔を赤らめている宮田くんはボクにすがりつく勢いで抱きしめてくる。
長い腕を背中や腰に絡め、決して逃さないようにぎゅうっと力を入れてくる。
彼のうなじから濃密に香るミントのような涼しさがボクの胸のドキドキと溶け合って、今まで口にしたことがない味わいのスイーツのよう。
「会津くんっ、きみはとっても愛らしいよ……。ひっそりとして、健気で、謙虚で、慎ましい。野ウサギのようだ。とても可憐で……わたしは、きみを……」
頭の後ろをなでなでされて、耳に吐息を吹きかけるように甘くささやかれて、野ウサギちゃんって呼ばれて、これでオチないやつはいないだろう。
「はへぇ……」
背中のゾクゾクがノンストップ。
昇天。天国。夢心地だ。
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