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4 ゆめのあと
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しおりを挟む「──ヘイ、ユー!! ウェイクアップ!」
耳の真横から声が降ってきた。
「はいっ!」
なんで英語──とツッコミを入れるヒマもなく、目をばっちり開いて飛び起きる。
しかし、すぐにまぶしさで目が焼かれたようにチカチカして、頭がパニックになった。
ボクがいつも寝起きしているのは朝になっても暗くてじめっとしたままの汚部屋なのに、目の前に広がるのはまばゆい光と汚れ一つない真っ白なシーツ。
おかしい。あまりに清潔すぎる。
「え? あれ?」
あたりを見回すも、四方は白いカーテンに包まれている。
天国かな──と思った思考をあざ笑うように遠くの方からかすかに聞こえるのは、授業開始のチャイムの音──。
「学校……まさか、保健室……?」
だとすると、さっきまでのあんなことやこんなことは夢じゃないのか──。
「お家だと思ってたわけ? とんだ寝ぼけ野郎ねぇ」
「──わっ!」
「まったく。よく寝てるわけだ」
ボクの真横で困ったように腕を組んでいたのは白衣の男性だった。
三十代前後ぐらいの雰囲気ながら、ガキ大将みたいな意地の悪い笑みを浮かべている。
たぶん保健室の先生なのだろうけど、ボクはいままで一度も保健室を利用したことがない健康優良児なので確証はない。
根暗なくせに健康だと厄介だ。こういうときに困る。
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