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3 ぼくってゴミ?※
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しおりを挟む「救いようのないゴミだな」
シニカルにフッと笑ってくれたとき、ボクは思わず、ぶるんと身震いしていた。理由もないのに涙があふれてくる。
どうしよう。抑えきれない。とまらない。
彼の大きな手の中でボクのものはギチギチと蠢いている。粘膜を引っ掻かれている上、焦げそうなほどに締め付けられているのに、従順。苦しむことを望んでるみたいだ。
「ゴミクズめ」
おまけに冷たい視線まで突き刺さる。
「宮田くんっ……あぁっ……」
胸の奥がじゅわりと熱くなるほどの歓喜。ビリビリとした痺れに埋もれるように、目を開いていられなくなった。
どうしよう。死んじゃいそうなぐらいに気持ちいい。
(ボクって、こんなにドMだったんだ──)
己の存在を主張するように、宮田くんの口元にあてがった指にぐっと力を入れた。
下くちびるがわずかに歪んで、中の真っ白な歯が見えた。とても清らかな宝石みたいな白。
その色で穢されたい。
「……ね、ねっ……これ、おもい、ひりッ……、思いっきり、かんでぇ……」
「命令するな。そんな権利与えていないぞ」
「ゃだ……命令じゃ、なく、れっ……お、ねがひっ……!」
「口ごたえするな」
「──ッ!!!」
宮田くんの淡々とした声が背骨の内側を滑り降りた瞬間、ボクは目を疑った。
歯の間からゆっくりと這い出した赤いものが、震えるボクの中指の先っぽを包み込み、ちろりとくすぐったのだ。
「ッああっ?! ぁあッ! ぺろぺろ……、嬉ひぃいいッ! もっどぉおお、もっど、かじっ、てッへぇええええ!!」
ほんの少し刺激されただけなのに腰を浮かせて大歓喜しているボクの言うことを、今の宮田くんが聞き入れてくれるわけがない。
彼はじれったいぐらいにゆっくりとした速度で中指全体を食むと、関節のくぼみにそって舌を這わせた。
指の腹と舌の真ん中、やわらかいところ同士を擦り合わせるようにぺろぺろ。
「あっ、う……ふ、ン……」
くすぐったくって、気持ちいい。溶けそう。
ぐちゅぐちゅとしたうねりに合わせて腰が跳ねてしまう。とまらない。
興奮してるのは腰だけじゃない。
本当はキツめにかじられてしまいたい指も、逃げ場を求めてピクピクと反り返った。上顎の硬いところに当たる。
宮田くんは少し苦しげにうめき、まぶたを閉じた。
舌の動きに合わせて長いまつげがふるふると震えてて、すっごくキレイ。
もし、フェラしてもらうとき、宮田くんの上顎にボクの尖端を押し付けたらものすごく気持ちいいかも──って妄想したら、それだけで彼の手の中のものがびくんって弾けた。
(どうしよう、そんなのっ……やばい……!)
まだ指舐めてもらってるだけなのに──。
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