白い宮田きゅんも黒い宮田きゅんもどっちも大好きすぎてボクはもうヘンタイです!

雨宮くもり

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3 ぼくってゴミ?※

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◆ ◆ ◆



「──おい! 寝んな、クズ」

「……ッ!?」

 落ちかけていた意識は、両耳をぎゅううっとひっぱり上げられる痛みで覚めた。
 ボクは震えるまま、パチパチとまばたきする。
 前髪が乱れて両目が隠れている宮田くんをまぶたに焼き付けた。いつもはキッチリカッキリな髪型だけど、陰のあるヘアスタイルもなかなか悪くない。

 ──あれ? ところでさっきボク、クズって言われた?

 時差で気になったものの、時間を巻き戻して確認する術はない。
 じんじんと痺れている耳がバグって幻聴を起こしたのかもしれない。

 しかし、次なる違和感はすぐに襲ってきた。
 宮田くんは手探りでボクの服とズボンの間に指を差し入れると、なんの躊躇もなく、たくしあげてくる。

「……っ!?」

「どーした変態。なにをおびえている」

 耳元で聞こえるのは、宮田くんの落ち着いた声。
 でも嘲笑を含んでいるような意地悪な口ぶりは、いつもとぜんぜん違う。
 ボクが一度も目の当たりにしたことがない宮田くんだった。

 
「み、宮田くんっ! ボクだよ、会津だよぉ……あはははっ! だだだ誰かと、かかか勘違いしてないかなぁー?」

 機嫌を損ねないよう、なるべく陽気にニコニコの笑顔で訂正を試みる。

 宮田くんがボクの肌に直接触れてくるなんて絶対におかしい。
 迷いなく胸のほうへとあがってくる彼の手を、ボクは服の上から捕まえた。

「ほらほらぁー! ボクのおっぱい触って触って! ぺらっぺらでしょー!」

 胸のほうに誘導して、ぺったんこな胸板に気づかせてあげる。
 宮田くんの手のひらはやっぱりものすごく熱がこもっていた。触れられているだけでじりじりと焦げて痛くなりそうなぐらいに──。

「ほ、ほら分かったよね?! ぼ、ボク、男の子だよー! でもって今は授業中だよー! だか──ンッ!?」

 背筋に走った衝撃で舌を噛みそうになった。

「ヒッ……はっ!」

 頭のてっぺんにかけてビリビリする。それが何の仕業なのか──分からなかった。
 一瞬にして頭が真っ白になって、なにも考えられない。


「ゴミのくせにピーピーうるさいぞ」

 数秒後、宮田くんの嘲笑が鼓膜をなでたとき、ボクは定まらない視界のなかで泣いていた。

「おとなしく潰れろ、ゴミ」

「あぐっ……ア、ぉおうァ……ぐ……」

 右胸の突起に爪がえぐりこむぐらいにぎゅぅうっと摘まれた挙げ句、皮膚の限界までねじり上げられつづけている。
 彼の筋肉質な腕が細かく震えるぐらいに。

「痛いか? それとも──」

「ゃンっ! だ、らァあああッ!」

「ゴミのくせに神経があるとは驚きだ」

 彼のゆったりとしたくちびるが雲間の三日月のように歪んだ。

 
「ひっ! ヒ、はひぃいいッ!」

 ビリビリとした痛みに膝から下をバタつかせ、のたうちながら悲鳴をあげていた。
 こんな声出してたらプールサイドにまで聞こえてしまうかもしれないのに、こらえきれない。

「あはン、ごぇッ、ごぇんらひゃ……はな、ひ、ひぇえッ!」

 揉み込むようにぎゅっ、ぎゅっと力を込められる度、ピリピリとした甘い電流に撃たれる。
 視界のあちこちに白い粒が弾けている。
 死にそうになるぐらいに息が吸えなくてもがくも、気づけばまた痛みに合わせて声を張り上げ、酸素を浪費してしまう。

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