真っ白子犬の癒やし方

雨宮くもり

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75 / 106
9 闇の中※

9-4 次は

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「ドブネズミくん、もしかして大抵の毒に耐性ある? ツゲ殿にいろいろ飲まされてたんじゃない?」

「知るかっ! やめねぇのならマジで殺すぞクソ悪趣味野郎が!!」

「そうやってチューチュー鳴く元気があるなら、まだまだ飲めるね。良かったぁ!」

「ひっ……」

 彼の手元には筒に入った液体がまだ何本も残っている。10本や20本では済まない。


「自信作はもう飲んでもらったからなぁ。次はどうしようかなぁ」


 これならツゲの激マズシロップのほうが遥かにマシだ。どいつもこいつもオレを実験台にしやがって腹が立つ。

 だが、一番腹が立つのは俺自身だ。

 スフェーンの着ている純白のローブが目の前で揺れる度、恋しい面影が脳裏をチラつく。
 今となってはあまりにも遠くなった昨夜の安らぎを思い出してしまう。
 そんな自分をぶん殴りたくてしょうがない。

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