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3 薔薇の園
3-2 変化
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◆ ◆ ◆
「はあ……」
剣術の練習のあと、中庭のベンチで一休み。
心を落ち着けてたったひとりの時間を過ごすのは久しぶりだった。──それこそ一週間ぶりかもしれない。
耳の奥から日々の喧騒を追い出すように、「ふぅっ」と息を吐く。
錆びた鉄柵に巻きついているバラの香りが鼻腔を満たす。
いい気分だった。
ほどほどに疲労しているのは毎日が充実している証拠だ。
少し顔を上げてみれば、琥珀色の花びらが青空に透き通るようでとてもきれい。
テルにも見せてやりたいな──無意識にそう考えてしまう自分にニヤつく。
「……オレ……こんなに笑う人間じゃなかったんだけどな」
ゆるみっぱなしの頬に気合いを入れるべく叩いてみても、柔らかさがもちもちと増すばかり。
「はあ……」
剣術の練習のあと、中庭のベンチで一休み。
心を落ち着けてたったひとりの時間を過ごすのは久しぶりだった。──それこそ一週間ぶりかもしれない。
耳の奥から日々の喧騒を追い出すように、「ふぅっ」と息を吐く。
錆びた鉄柵に巻きついているバラの香りが鼻腔を満たす。
いい気分だった。
ほどほどに疲労しているのは毎日が充実している証拠だ。
少し顔を上げてみれば、琥珀色の花びらが青空に透き通るようでとてもきれい。
テルにも見せてやりたいな──無意識にそう考えてしまう自分にニヤつく。
「……オレ……こんなに笑う人間じゃなかったんだけどな」
ゆるみっぱなしの頬に気合いを入れるべく叩いてみても、柔らかさがもちもちと増すばかり。
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