真っ白子犬の癒やし方

雨宮くもり

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3 薔薇の園

3-1 一週間が経ちました

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◆ ◆ ◆




 凄まじいスピードで一週間が過ぎた。

 テルの生活を整える準備で毎日のようにあちこち動き回って、本当にあっという間だった。

 なにせ、テルは何も持っていなかったのだ。
 授業に必要な本と、たずねてきた日に着ていた白いローブ、それからほんの少しのお金だけ。寝間着どころか、替えの下着すらなかった。

 今までどこで寝起きしていたのだろう。
 本人は『ゴミ箱の中でも寝られます』と話していたが──。

 気にならないといったら嘘になるが、テルはいつもニコニコ笑っている。オレとの生活を楽しんでくれている。

 今はそれでいいと思った。

 根掘り葉掘り聞くよりも、テルが新しい暮らしに慣れてくれるのが先だ。


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