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ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮
ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(9)
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「許さない。許さないぞ、お前だけは。絶対に許さない!」
「ふふ、怪異が消えて、人間に戻ったようだな。人間ごときが、わらわに勝てるとでも?」
九尾は素早く九十九の前まで動くと、鋭い爪で九十九の身体を切り裂いた。
九十九は九尾の攻撃を受けて、倒れてしまう。
「もろい。もろいのう。人間というのは、なんともろいものか」
九尾は身体を反らせながら笑っていた。
「ぐぅ、ゼロがいないと、こいつにはとても勝てない。ごめんねゼロ。私ももうダメみたいだ……」
九十九が勝利を諦めかけたその時……。
「先生、諦めちゃダメです」
「そうです。私たちの知ってる先生はこんなところで負けたりしないです」
「立ってうみちゃん。あなたはこんなところで終わる人じゃないわ」
「九十九さん、立って」
「それまでの時間は私たちが稼ぎます」
「ふん、狐ごときに好き勝手されては困るのだよ」
倒れている九十九の前に、たくさんの人たちが立って、九十九を守っていた。
「サキ君、ナージャ君、まりえ、八尺様。それにT地区の怪異たちまで。どうして?」
「私の能力でここに連れてきました」
「望月さん」
望月編集長は、彼自身の能力で、九十九にゆかりのある人物たちを召喚したのだ。
「みんなありがとう。でも、ゼロがいなくなってしまった。私だけでは、こいつには……」
その時、九十九の脳内に、ゼロの声が響いてきた。
『諦めるなうみか。俺はまだ終わっちゃいないぜ』
『ゼロ、ゼロ! お前、大丈夫なのか?』
『ああ。身体は失っちまったが、なんとか魂は残っているよ』
『うれしいよ、ゼロ。私は君が完全に消滅したと思っていたから』
『さあ、うみか。俺を憑依するんだ。そして、二人であいつをぶっ飛ばすぞ』
『わかった、ゼロ。私の中に来てくれ』
『ああ、俺たちの本気、見せてやろうぜ』
九十九は、自身にゼロの魂を憑依させる。
『我が相棒の大神よ、我が身体に宿り、我と一つになりたまえ』
九十九の中に、消滅したはずのゼロが宿り、傷ついた九十九の肉体が再生した。
「思いは、思いは力なんだ。みんなの思いが、意志が、私に力を与えてくれた」
九十九に宿ったゼロは、本来の姿である大口真神の姿へと戻っていた。
白い狼の姿となった九十九は、神々しい雰囲気をはなっていた。
「ほう、犬神を憑依させて本来の力を取り戻したか。だが、わらわの……」
九十九は、恐ろしいほどの速さで九尾の首を刈り取った。
九尾には、何が起きたのかすら感知できなかった。
「ぐはっ、く、首をもがれたか……」
九十九に首をもがれた九尾の胴体が倒れ込んだ。
「ふふ、怪異が消えて、人間に戻ったようだな。人間ごときが、わらわに勝てるとでも?」
九尾は素早く九十九の前まで動くと、鋭い爪で九十九の身体を切り裂いた。
九十九は九尾の攻撃を受けて、倒れてしまう。
「もろい。もろいのう。人間というのは、なんともろいものか」
九尾は身体を反らせながら笑っていた。
「ぐぅ、ゼロがいないと、こいつにはとても勝てない。ごめんねゼロ。私ももうダメみたいだ……」
九十九が勝利を諦めかけたその時……。
「先生、諦めちゃダメです」
「そうです。私たちの知ってる先生はこんなところで負けたりしないです」
「立ってうみちゃん。あなたはこんなところで終わる人じゃないわ」
「九十九さん、立って」
「それまでの時間は私たちが稼ぎます」
「ふん、狐ごときに好き勝手されては困るのだよ」
倒れている九十九の前に、たくさんの人たちが立って、九十九を守っていた。
「サキ君、ナージャ君、まりえ、八尺様。それにT地区の怪異たちまで。どうして?」
「私の能力でここに連れてきました」
「望月さん」
望月編集長は、彼自身の能力で、九十九にゆかりのある人物たちを召喚したのだ。
「みんなありがとう。でも、ゼロがいなくなってしまった。私だけでは、こいつには……」
その時、九十九の脳内に、ゼロの声が響いてきた。
『諦めるなうみか。俺はまだ終わっちゃいないぜ』
『ゼロ、ゼロ! お前、大丈夫なのか?』
『ああ。身体は失っちまったが、なんとか魂は残っているよ』
『うれしいよ、ゼロ。私は君が完全に消滅したと思っていたから』
『さあ、うみか。俺を憑依するんだ。そして、二人であいつをぶっ飛ばすぞ』
『わかった、ゼロ。私の中に来てくれ』
『ああ、俺たちの本気、見せてやろうぜ』
九十九は、自身にゼロの魂を憑依させる。
『我が相棒の大神よ、我が身体に宿り、我と一つになりたまえ』
九十九の中に、消滅したはずのゼロが宿り、傷ついた九十九の肉体が再生した。
「思いは、思いは力なんだ。みんなの思いが、意志が、私に力を与えてくれた」
九十九に宿ったゼロは、本来の姿である大口真神の姿へと戻っていた。
白い狼の姿となった九十九は、神々しい雰囲気をはなっていた。
「ほう、犬神を憑依させて本来の力を取り戻したか。だが、わらわの……」
九十九は、恐ろしいほどの速さで九尾の首を刈り取った。
九尾には、何が起きたのかすら感知できなかった。
「ぐはっ、く、首をもがれたか……」
九十九に首をもがれた九尾の胴体が倒れ込んだ。
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