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ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮

ファイル.09 陰陽師が探す秘宝と幻の迷宮(8)

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 忠行の全身から白い霧が発生して、周囲をおおった。

 霧が晴れると、忠行の身体は急激に変化していて、白面の妖狐となっていた。
 妖狐は金色の毛でおおわれた九本の尾をひらひらとただよわせながら、不敵に笑っていた。

「ふふ、ようやくわらわが現世に復活できた。礼をいうぞ、忠行」

「彼女の雰囲気が変わった。それに、尾が九本ある。まさか、九尾の狐に乗っ取られたのか?」

「さよう。わらわは九尾じゃ。くくく、久しぶりの現世じゃ。気分がいいのう」

 九尾は、手を口に当てながら高笑いした。
 九尾から、強烈なプレッシャーを感じた九十九たちは、強烈な寒気とともに、周囲の空気が重くなっているような感じを受けた。

「九尾、お前を地上にいかせるわけにはいかない。お前の存在はこの国の、いや、世界の厄災となるからな」

 九尾からのプレッシャーを跳ね除けながら、九十九が九尾を睨みつける。

「ふふ、人の子よ、わらわの邪魔をするか。勇気と無謀は違うということを教えてもらえなんだようだな」

 九尾は、全身から赤黒いオーラを発生させると、複数の尻尾を操って九十九に攻撃を仕掛けた。

 たくさんの尾が、ムチのようにしなりながら九十九の身体を襲う。

「マズい、九十九、俺に身体を貸せ」

 ゼロは無理矢理九十九の身体から出てきた。
 そのまま、ゼロは自分に向かってきたたくさんの尾を回避していく。

 しかし、一本の尾を避けきれず、腹を尾で貫かれてしまった。

「がはっ!」

 ゼロは血を吐いた。

 そのまま、ゼロは九尾の尾で身体を何度も打ち付けられた。

「ぐうう、なんで威力だ。このダメージでは回復が追い付かない。俺はもうダメだな。じゃあな、うみか。俺はお前と一緒になれて、最高に楽しかったぜ」

 ゼロは九十九を助けるために、受けたダメージを全て自分の身体に引き受けた。
 そのせいで、ゼロの身体は消滅しかけていた。

「うわあああ、ゼロ。ゼロー!」
 
 ゼロの身体は完全に消滅した。

「うわああああああ!」
 
 ゼロの身体が消滅したことで、九十九は本来の人間の身体へと戻っていた。
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