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ファイル.08 サキとナージャの異世界冒険
ファイル.08 サキとナージャの異世界冒険(10)
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「地震だ。なーちゃん、伏せて! 頭を手で守るの!」
「はい! うう、大きい。伏せていても耐えられそうにないくらい」
地面が砕けそうなほどの揺れが一分ほど続いた。
「うう、先輩、大丈夫ですか?」
「なんとかね。なーちゃんは大丈夫?」
「私もなんとか大丈夫です」
「異世界でこんなに大きな地震が起こるなんて、思ってなかったよー」
「うかつでした。こういう洞窟では致命的になるかもしれません。落盤や落石で、出口が塞がれてないといいですけど」
ナージャの心配は現実となっていた。
その日、二人のいる異世界で千年に一度の地震が起きた。
地震により、落盤が発生して、洞窟内の通路が一部崩壊していた。
「あー、通路が潰れています。これじゃあ外に出られないよー」
「やっぱり落盤してましたね。別な通路を探すしかないです」
二人は別な道を探したが、通れる場所は全て塞がれてしまっていた。
「先輩、これは詰んだかもしれません。これでは私たち、ここから出られませんよ……。冒険者ギルドの人たちが救助を要請してくれることを祈るしかないです」
「そうだ。魔法でこの石をどかせれば……」
二人は魔法で通路を塞いでいる石をどかそうとしたが、塞いでる石の量が多いようで、たくさんの石を取り除いても道は塞がったままだった。
「これでは無理です。むしろ魔法を使うと余計な体力を消耗して危険です」
「助けが来るのを待つしかないね」
どれだけの時間が経ったのだろう。
二人には、永遠に時間が流れているように感じた。
しばらくすると、徐々に洞窟内の酸素が足りなくなってきたのか、二人の頭がぼーっとしてきた。
「うう、頭がクラクラするー」
「洞窟内の酸素が少なくなってきてるのかも。通気口になっていたところが塞がれてしまったのかもしれませんね」
二人は余計な酸素を使わないように、身体を寄せ合ってじっと耐えていた。
体調に異変を感じたことで、二人は自分たちに残された時間が少なくなっていることを実感した。
「大丈夫だよ、なーちゃん。必ず助けがくるから。諦めちゃダメだよ」
「わかっています。必ずここから出ましょうね」
二人はお互いの手を握りながら励まし合う。
しかし、その間にも、洞窟内の酸素はどんどん失われていった。
「なーちゃん、私の血、吸っていいですよ。そしたら、なーちゃんはもう少しだけ、助けを待ってられますからね」
「優しいんですね、先輩。でも、酸素欠乏になってる先輩の血を吸っても、あんまり長く持ちませんよ。なので大丈夫です。それに、くたばる時は先輩と一緒がいいですから」
しかし、すぐにナージャは意識がもうろうとしてしまい、ぐったりとしてしまった。
「なーちゃん、なーちゃん。しっかりして。今、私の酸素をあげるからね」
サキはナージャに人口呼吸をして、肺の中に残っている酸素を送り込んだ。
(なーちゃんは吸血鬼だから、私より血液の中の酸素をたくさん消費しちゃうのかもしれない。本当にごめんね、なーちゃん)
ナージャに酸素を送り続けたサキも限界になっていた。
(先生ごめんなさい。私が異世界に行くなんて言わなかったら、私もなーちゃんも死なずにすみました。本当にごめんなさい。アマちゃんも、本当にごめん。私が魔法を使ってなかったら、あなたの能力を使って、危険を回避できたのに。本当にごめんね。先生、今までありがとうございました。サキは先生が好きでした。先生と助手以上の関係になりたかったです。でも、もう手遅れですけど。先生。先生……せんせ……)
サキはもう動けなくなっていた。
(あり……がと……ご……)
サキの意識が遠のいたその時。
「はい! うう、大きい。伏せていても耐えられそうにないくらい」
地面が砕けそうなほどの揺れが一分ほど続いた。
「うう、先輩、大丈夫ですか?」
「なんとかね。なーちゃんは大丈夫?」
「私もなんとか大丈夫です」
「異世界でこんなに大きな地震が起こるなんて、思ってなかったよー」
「うかつでした。こういう洞窟では致命的になるかもしれません。落盤や落石で、出口が塞がれてないといいですけど」
ナージャの心配は現実となっていた。
その日、二人のいる異世界で千年に一度の地震が起きた。
地震により、落盤が発生して、洞窟内の通路が一部崩壊していた。
「あー、通路が潰れています。これじゃあ外に出られないよー」
「やっぱり落盤してましたね。別な通路を探すしかないです」
二人は別な道を探したが、通れる場所は全て塞がれてしまっていた。
「先輩、これは詰んだかもしれません。これでは私たち、ここから出られませんよ……。冒険者ギルドの人たちが救助を要請してくれることを祈るしかないです」
「そうだ。魔法でこの石をどかせれば……」
二人は魔法で通路を塞いでいる石をどかそうとしたが、塞いでる石の量が多いようで、たくさんの石を取り除いても道は塞がったままだった。
「これでは無理です。むしろ魔法を使うと余計な体力を消耗して危険です」
「助けが来るのを待つしかないね」
どれだけの時間が経ったのだろう。
二人には、永遠に時間が流れているように感じた。
しばらくすると、徐々に洞窟内の酸素が足りなくなってきたのか、二人の頭がぼーっとしてきた。
「うう、頭がクラクラするー」
「洞窟内の酸素が少なくなってきてるのかも。通気口になっていたところが塞がれてしまったのかもしれませんね」
二人は余計な酸素を使わないように、身体を寄せ合ってじっと耐えていた。
体調に異変を感じたことで、二人は自分たちに残された時間が少なくなっていることを実感した。
「大丈夫だよ、なーちゃん。必ず助けがくるから。諦めちゃダメだよ」
「わかっています。必ずここから出ましょうね」
二人はお互いの手を握りながら励まし合う。
しかし、その間にも、洞窟内の酸素はどんどん失われていった。
「なーちゃん、私の血、吸っていいですよ。そしたら、なーちゃんはもう少しだけ、助けを待ってられますからね」
「優しいんですね、先輩。でも、酸素欠乏になってる先輩の血を吸っても、あんまり長く持ちませんよ。なので大丈夫です。それに、くたばる時は先輩と一緒がいいですから」
しかし、すぐにナージャは意識がもうろうとしてしまい、ぐったりとしてしまった。
「なーちゃん、なーちゃん。しっかりして。今、私の酸素をあげるからね」
サキはナージャに人口呼吸をして、肺の中に残っている酸素を送り込んだ。
(なーちゃんは吸血鬼だから、私より血液の中の酸素をたくさん消費しちゃうのかもしれない。本当にごめんね、なーちゃん)
ナージャに酸素を送り続けたサキも限界になっていた。
(先生ごめんなさい。私が異世界に行くなんて言わなかったら、私もなーちゃんも死なずにすみました。本当にごめんなさい。アマちゃんも、本当にごめん。私が魔法を使ってなかったら、あなたの能力を使って、危険を回避できたのに。本当にごめんね。先生、今までありがとうございました。サキは先生が好きでした。先生と助手以上の関係になりたかったです。でも、もう手遅れですけど。先生。先生……せんせ……)
サキはもう動けなくなっていた。
(あり……がと……ご……)
サキの意識が遠のいたその時。
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