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ファイル.07 洋館に住む謎の少女と少年探偵団
ファイル.07 洋館に住む謎の少女と少年探偵団(5)
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四人の背後から、彼らと同じくらいの年の少女が現れた。
彼女は白いマスクをしていて、顔が半分隠れていたが、金髪の長い髪に、青い目をしていた。
「あなたは誰?」
「私はナージャ。この家に住んでいるの。あなたたちは何者なの?」
「僕たちは少年探偵団です。この家に怪盗のホワイトキャットがいると聞いて、会いに来たんです」
「ホワイトキャット? 名探偵ポワンの? ああ、ツクモに会いに来たのね」
それまで四人を警戒していた金髪の少女の表情が、少しだけ穏やかになった。
「ツクモ? ホワイトキャット様じゃないの?」
「よく似てるけど違うわ。ツクモは探偵なの。私が仕事を依頼して、この屋敷に来てもらったのよ」
「なんだ。やっぱり本物のホワイトキャットじゃなかったんだ」
浩太はがっかりして肩を落とした。
「ふふ、でも、ツクモはホワイトキャットと同じくらいかっこいいわよ。あ、自己紹介がまだだったわね。私はナージャ。この髪と目を見ればわかると思うけど、日本人じゃないわ。日本の隣の大陸から来たの」
「それって、ロシアのこと?」
「惜しい。私はまだロシアになる前のソビエトという国の出身なの」
「え? ソビエトって、僕たちが生まれるずっとずっと前に無くなった国じゃないですか?」
「そうよ。だから私、こんな見た目だけど、あなたたちより、ずっとずっと年上なの」
「えー、あなた、おばさんだったのー!?」
驚いた有紗が大声をあげた。
「……おばさんって呼ばれると傷つくから、お姉さんって呼んでくれる?」
「ごめんなさい、ナージャさん」
有紗は申し訳なさそうにナージャに頭を下げた。
「あ、それであなたたちは、ツクモに会いたかったのよね? 今、助手の子と下の階の応接間にいるから、会いにいきましょう」
「やったー。ホワイトキャットに会えるー」
ナージャは大喜びの四人を応接間に案内した。
「わー、本当にホワイトキャット様だ。キャット様が目の前にいるー」
有紗は目をキラキラさせながら叫んだ。
「ナージャさん、この子たちは?」
「ツクモさん、この子たち、あなたのファンみたいよ。あなたに会いたくて、この屋敷の中に入ってしまったみたいなの」
「なるほど。街で少し目立ちすぎたか」
彼女は白いマスクをしていて、顔が半分隠れていたが、金髪の長い髪に、青い目をしていた。
「あなたは誰?」
「私はナージャ。この家に住んでいるの。あなたたちは何者なの?」
「僕たちは少年探偵団です。この家に怪盗のホワイトキャットがいると聞いて、会いに来たんです」
「ホワイトキャット? 名探偵ポワンの? ああ、ツクモに会いに来たのね」
それまで四人を警戒していた金髪の少女の表情が、少しだけ穏やかになった。
「ツクモ? ホワイトキャット様じゃないの?」
「よく似てるけど違うわ。ツクモは探偵なの。私が仕事を依頼して、この屋敷に来てもらったのよ」
「なんだ。やっぱり本物のホワイトキャットじゃなかったんだ」
浩太はがっかりして肩を落とした。
「ふふ、でも、ツクモはホワイトキャットと同じくらいかっこいいわよ。あ、自己紹介がまだだったわね。私はナージャ。この髪と目を見ればわかると思うけど、日本人じゃないわ。日本の隣の大陸から来たの」
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「え? ソビエトって、僕たちが生まれるずっとずっと前に無くなった国じゃないですか?」
「そうよ。だから私、こんな見た目だけど、あなたたちより、ずっとずっと年上なの」
「えー、あなた、おばさんだったのー!?」
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「……おばさんって呼ばれると傷つくから、お姉さんって呼んでくれる?」
「ごめんなさい、ナージャさん」
有紗は申し訳なさそうにナージャに頭を下げた。
「あ、それであなたたちは、ツクモに会いたかったのよね? 今、助手の子と下の階の応接間にいるから、会いにいきましょう」
「やったー。ホワイトキャットに会えるー」
ナージャは大喜びの四人を応接間に案内した。
「わー、本当にホワイトキャット様だ。キャット様が目の前にいるー」
有紗は目をキラキラさせながら叫んだ。
「ナージャさん、この子たちは?」
「ツクモさん、この子たち、あなたのファンみたいよ。あなたに会いたくて、この屋敷の中に入ってしまったみたいなの」
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