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ファイル.04 呪いの動画といなくなったサキ
ファイル.04 呪いの動画といなくなったサキ(9)
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次の日の夜、とあるニュースが流れた。
「次のニュースです。本日正午頃、東京都八王子市にある旧T病院跡の建物で爆発が起きました。警察の発表によると、地下から漏れていたメタンガスに何らかの理由で引火したのが原因とのことです。警察では引き続き原因を調査しています……」
ニュースに映りだした映像では、廃病院が骨組みだけを残して吹き飛んでいた。
「いやー、跡形もなく吹き飛んでますねー」
「証拠を隠滅したってわけか……。私たちも危なそうだな。気をつけようね、サキ君」
「はい。でも、今度は私が先生を守りますからねー」
「ふふ、うれしいこと言ってくれるじゃないの、サキ君」
コーヒーを飲みながら、九十九はサキの頭を優しくなでた。
◇◇◇
今回の事件の動画を作ったのはとある組織の男だった。
廃病院から逃げた、あの男である。
彼は組織のために、人を操る動画を利用して人間を集めて、研究所で怪異化していたのだ。
この組織は、怪異や怪異化した人間を使って、この国で事件を起こして国民の不安を煽るのが目的だった。
そして、組織から、怪異を倒す救世主を出すことで、不安になった人々から支持を集めて、組織がこの国を乗っ取ろうとしていた。
自作自演だが、人々の心を掴み支持を得るためには効果的な方法だと、組織のボスは考えていた。
この組織の幹部は、ボスからコードネームが与えられている。
ハーゲンティというコードネームを持つこの男は、組織のアジトで怒りを爆発させていた。
「まさか、研究所が爆破されてしまうとは。コードナンバー99。よくも私に恥をかかせてくれたな。絶対に許さんぞ。確かお前は九十九……」
「ずいぶんとお怒りですねえ、ハーゲンティ」
黒い山高帽を被った男が、部下を引き連れてハーゲンティの前へとやってきた。
「おい、これは何の真似だ、ダンタリオン」
組織の幹部たちはお互いをコードネームで呼び合っていた。
「ハーゲンティ、ボスはあなたに失望したとのことです。あなたが無作為に動画で人間を誘い出したりしなければ、研究所を爆破せずに済んだのですからね。よって、あなたには組織の掟に従ってもらいます」
「おい、何をふざけたことを。お前ら、俺を誰だと思っている! やめろ! やめないと、ただでは……」
「往生際が悪いですよ、ハーゲンティ」
黒い山高帽を被った男が、ハーゲンティをにらみつけると、彼は急に意識を失って倒れ込んだ。
そのまま、ダンタリオンと呼ばれた男は、部下に命じてハーゲンティを連行させた。
その後、幹部のハーゲンティは公開処刑され、その様子を収めた動画がダークウェブ上で公開された。
黒い山高帽を被った男ダンタリオン。
彼の正体は、月刊ヌーの望月編集長その人だった。
「九十九さん、あなたはまりえさんを助けてくれましたから、これぐらいは協力してあげないとね。これからもあなたの味方でいますよ。私の邪魔をしないなら、ですけどね。それに、あなたは失った記憶を取り戻せば、きっと我々の組織に戻ってくるでしょうから、その時を楽しみにしていますよ、コードナンバー99」
「次のニュースです。本日正午頃、東京都八王子市にある旧T病院跡の建物で爆発が起きました。警察の発表によると、地下から漏れていたメタンガスに何らかの理由で引火したのが原因とのことです。警察では引き続き原因を調査しています……」
ニュースに映りだした映像では、廃病院が骨組みだけを残して吹き飛んでいた。
「いやー、跡形もなく吹き飛んでますねー」
「証拠を隠滅したってわけか……。私たちも危なそうだな。気をつけようね、サキ君」
「はい。でも、今度は私が先生を守りますからねー」
「ふふ、うれしいこと言ってくれるじゃないの、サキ君」
コーヒーを飲みながら、九十九はサキの頭を優しくなでた。
◇◇◇
今回の事件の動画を作ったのはとある組織の男だった。
廃病院から逃げた、あの男である。
彼は組織のために、人を操る動画を利用して人間を集めて、研究所で怪異化していたのだ。
この組織は、怪異や怪異化した人間を使って、この国で事件を起こして国民の不安を煽るのが目的だった。
そして、組織から、怪異を倒す救世主を出すことで、不安になった人々から支持を集めて、組織がこの国を乗っ取ろうとしていた。
自作自演だが、人々の心を掴み支持を得るためには効果的な方法だと、組織のボスは考えていた。
この組織の幹部は、ボスからコードネームが与えられている。
ハーゲンティというコードネームを持つこの男は、組織のアジトで怒りを爆発させていた。
「まさか、研究所が爆破されてしまうとは。コードナンバー99。よくも私に恥をかかせてくれたな。絶対に許さんぞ。確かお前は九十九……」
「ずいぶんとお怒りですねえ、ハーゲンティ」
黒い山高帽を被った男が、部下を引き連れてハーゲンティの前へとやってきた。
「おい、これは何の真似だ、ダンタリオン」
組織の幹部たちはお互いをコードネームで呼び合っていた。
「ハーゲンティ、ボスはあなたに失望したとのことです。あなたが無作為に動画で人間を誘い出したりしなければ、研究所を爆破せずに済んだのですからね。よって、あなたには組織の掟に従ってもらいます」
「おい、何をふざけたことを。お前ら、俺を誰だと思っている! やめろ! やめないと、ただでは……」
「往生際が悪いですよ、ハーゲンティ」
黒い山高帽を被った男が、ハーゲンティをにらみつけると、彼は急に意識を失って倒れ込んだ。
そのまま、ダンタリオンと呼ばれた男は、部下に命じてハーゲンティを連行させた。
その後、幹部のハーゲンティは公開処刑され、その様子を収めた動画がダークウェブ上で公開された。
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「九十九さん、あなたはまりえさんを助けてくれましたから、これぐらいは協力してあげないとね。これからもあなたの味方でいますよ。私の邪魔をしないなら、ですけどね。それに、あなたは失った記憶を取り戻せば、きっと我々の組織に戻ってくるでしょうから、その時を楽しみにしていますよ、コードナンバー99」
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