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ファイル.02 神隠しの村に巣食う大蛇と二人の姉妹
ファイル.02 神隠しの村に巣食う大蛇と二人の姉妹(8)
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バシーン。
バシーン。
付喪神となった木々が、枝をムチのようにしならせて姦姦蛇螺を攻撃していく。
「くっ、なんだこれは。まるで木が生きているかのように、私に攻撃している!?」
姦姦蛇螺は上半身の腕を六本に増やして、自身に向かってくる木の枝を薙ぎ払っていった。
「ふんっ! こんなもので私に勝てるとでも思ったか」
姦姦蛇螺は下半身の蛇の尻尾を伸ばして、地面を這わせた。
そして、伸びた尻尾で、九十九たちの周りを取り囲んでしまった。
「しまった!」
姦姦蛇螺はそのまま尻尾を九十九の身体に絡みつけて、きつく締め上げた。
「ぐうぅ!」
「くくく、お前たち、もう逃げられんぞ。このまま息の根を止めてから、私が食ってやる」
しかし、苦しそうにしながらも、何故か九十九は落ち着きを払っていた。
「今だ、サキ君、酒瓶を投げろ!」
「はい、先生!」
サキはカバンから酒瓶を取り出すと、そのまま姦姦蛇螺に投げつけた。
パリーン。
酒瓶は姦姦蛇螺の尻尾にぶつかって割れ、中身の酒が怪異の尻尾にかかった。
続けてサキは、ジッポライターに火をつけて、同じく姦姦蛇螺の尻尾に投げつけた。
「この酒は、スピリタスだ。アルコール度数が極めて高く、火を近づけると簡単に引火する」
ジッポライターの火がスピリタスに引火して、姦姦蛇螺の尻尾が激しく燃え上がった。
「お前、まさかわざと私に捕まって……。ぐああああああ!」
一瞬締め付けが緩んだことで、九十九は姦姦蛇螺の尻尾から脱出することが出来た。
「サキ君。スピリタスの瓶をどんどん投げろ! 蛇は変温動物といって、熱には弱いんだ。だから、下半身が蛇のこいつも熱に弱いはず。これで大分弱るはずだ!」
「おりゃああああ! くらええええ!」
サキはカバンからスピリタスの瓶を取り出すと、次々と燃え盛る姦姦蛇螺の尻尾へと投げつけていった。
「おのれ、人間ごときが、ふざけた真似を!」
姦姦蛇螺は燃え盛る尻尾を地面に擦り付けながら、のたうち回っていた。
九十九は、カバンから小さなナイフほどの大きさの古びた剣を取り出した。
「この国におわします八百万の神々よ、我が依代に宿り、この剣に秘めたる退魔の力を引き出したまえ」
古びた剣に魂が宿ると、剣から青白いオーラが溢れ出して、片手剣ほどの大きさになった。
『お、ソハヤノツルギか。久しぶりに見たが、いつみてもかっこいいなあ』
ソハヤノツルギ。
毘沙門天の化身といわれ、日本各地の怪異を討伐し続けた伝説の英雄、坂上田村麻呂の愛刀である。
「この剣は、怪異と人間を切り分けることができる。これから、お前の身体からまりえを切り離す。彼女を返してもらうぞ。姦姦蛇螺」
九十九は素早く剣で姦姦蛇螺の上半身と下半身を切断した。
「ぎゃああああああ」
姦姦蛇螺の上半身が、悍ましい悲鳴をあげた。
九十九は悲鳴を気にせず、姦姦蛇螺の上半身にソハヤノツルギを突き立てて、口上を述べる。
「ソハヤノツルギよ、この怪異に囚われた我が親友の魂を解放し、肉体を再生せよ」
姦姦蛇螺の上半身が、徐々に女性の全身へと変化していき、まりえの身体へと戻った。
バシーン。
付喪神となった木々が、枝をムチのようにしならせて姦姦蛇螺を攻撃していく。
「くっ、なんだこれは。まるで木が生きているかのように、私に攻撃している!?」
姦姦蛇螺は上半身の腕を六本に増やして、自身に向かってくる木の枝を薙ぎ払っていった。
「ふんっ! こんなもので私に勝てるとでも思ったか」
姦姦蛇螺は下半身の蛇の尻尾を伸ばして、地面を這わせた。
そして、伸びた尻尾で、九十九たちの周りを取り囲んでしまった。
「しまった!」
姦姦蛇螺はそのまま尻尾を九十九の身体に絡みつけて、きつく締め上げた。
「ぐうぅ!」
「くくく、お前たち、もう逃げられんぞ。このまま息の根を止めてから、私が食ってやる」
しかし、苦しそうにしながらも、何故か九十九は落ち着きを払っていた。
「今だ、サキ君、酒瓶を投げろ!」
「はい、先生!」
サキはカバンから酒瓶を取り出すと、そのまま姦姦蛇螺に投げつけた。
パリーン。
酒瓶は姦姦蛇螺の尻尾にぶつかって割れ、中身の酒が怪異の尻尾にかかった。
続けてサキは、ジッポライターに火をつけて、同じく姦姦蛇螺の尻尾に投げつけた。
「この酒は、スピリタスだ。アルコール度数が極めて高く、火を近づけると簡単に引火する」
ジッポライターの火がスピリタスに引火して、姦姦蛇螺の尻尾が激しく燃え上がった。
「お前、まさかわざと私に捕まって……。ぐああああああ!」
一瞬締め付けが緩んだことで、九十九は姦姦蛇螺の尻尾から脱出することが出来た。
「サキ君。スピリタスの瓶をどんどん投げろ! 蛇は変温動物といって、熱には弱いんだ。だから、下半身が蛇のこいつも熱に弱いはず。これで大分弱るはずだ!」
「おりゃああああ! くらええええ!」
サキはカバンからスピリタスの瓶を取り出すと、次々と燃え盛る姦姦蛇螺の尻尾へと投げつけていった。
「おのれ、人間ごときが、ふざけた真似を!」
姦姦蛇螺は燃え盛る尻尾を地面に擦り付けながら、のたうち回っていた。
九十九は、カバンから小さなナイフほどの大きさの古びた剣を取り出した。
「この国におわします八百万の神々よ、我が依代に宿り、この剣に秘めたる退魔の力を引き出したまえ」
古びた剣に魂が宿ると、剣から青白いオーラが溢れ出して、片手剣ほどの大きさになった。
『お、ソハヤノツルギか。久しぶりに見たが、いつみてもかっこいいなあ』
ソハヤノツルギ。
毘沙門天の化身といわれ、日本各地の怪異を討伐し続けた伝説の英雄、坂上田村麻呂の愛刀である。
「この剣は、怪異と人間を切り分けることができる。これから、お前の身体からまりえを切り離す。彼女を返してもらうぞ。姦姦蛇螺」
九十九は素早く剣で姦姦蛇螺の上半身と下半身を切断した。
「ぎゃああああああ」
姦姦蛇螺の上半身が、悍ましい悲鳴をあげた。
九十九は悲鳴を気にせず、姦姦蛇螺の上半身にソハヤノツルギを突き立てて、口上を述べる。
「ソハヤノツルギよ、この怪異に囚われた我が親友の魂を解放し、肉体を再生せよ」
姦姦蛇螺の上半身が、徐々に女性の全身へと変化していき、まりえの身体へと戻った。
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