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ファイル.02 神隠しの村に巣食う大蛇と二人の姉妹
ファイル.02 神隠しの村に巣食う大蛇と二人の姉妹(5)
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二人は森の入口に着いた。
禁足地である帰らずの森は、一度入ったら二度と出られないと言われている。
「先生、思ったより薄暗い場所ですねー」
「木々が生い茂っているからな。太陽の光が遮られてしまうんだ」
ちりん、ちりん。
ふいに鈴の音が鳴った。
「え、何? 先生、なんでこんなところで鈴の音が聞こえるんですかー!?」
驚いたサキは九十九の腕にしがみついた。
「サキ君、あれをみてごらん」
「なんなんです、あれはー」
サキか九十九が指差す先の方を見ると、木と木の間に鈴がついたロープが張り巡らされていて、鈴が鳴っていた。
ちりん、ちりん、ちりん、ちりん。
二人がロープに近づくにつれて、鈴の音は大きくなり、ロープも激しく揺れだした。
「そんな、風も吹いてないのにどうして?」
「この鈴は私たちに警告しているんだ。ここから先へ進むのは危険だとね。おそらくここに作られた結界の一部なんだろう」
「結界……ですか?」
「ああ、この森が禁足地になっているのは、ここが結界として機能しているからなんだろう。この中にいる怪異をこの場所へ押し留めているのさ」
「なるほど、そういうことだったんですねー」
「サキ君。君も感じているだろうけど、ここに来てからずっと、誰かに見られているような感覚がある。気をつけて進もう」
しばらく進むと、沢山の鉄柵が設置されており、柵の向こう側への進入を妨げていた。
「これも結界の一部なのかしら。ここから先へは進入するなってこと?」
「サキ君。おそらくまりえはここを乗り越えて中に進入しているよ。これを見てくれ」
「これは!」
まりえの来ていた服についていたボタンが、鉄柵によし登った時に引っかかったのか、鉄柵のすぐ下に落ちていた。
「どうやら彼女がこの先に進んでいったのは間違いないようだね」
二人は森の奥へと進んでいったが、まるで迷いの森のように、同じような場所を延々と歩いているような感覚に陥っていた。
「先生、さっきからずっと同じような場所をぐるぐる回っている気がしますー」
『どうやらこの森自体も怪異の影響を受けているようだな。進入者を惑わせようとしている。俺が怪異の臭いを辿って道を教えてやるよ』
『ああ、頼むよゼロ。まりえが心配だからな。一秒でも早く怪異と接触したい』
『任せてくれ。あ、そこにデカい木があるだろ。その木を右に進んでくれ』
「サキ君。私が怪異の臭いを辿ってみるよ。ついて来てくれ」
「はーい」
九十九たちは怪異の臭いを辿ることで、森の最深部まで到達することができた。
森の最深部には、六本の大木があった。
その大木には、しめ縄がくくってあり、その中央には台座があり、不思議な模様の彫られた木箱が置かれていた。
「この大木と、木箱は、まさか……」
九十九は、木箱に近づくと、裏側にあった引き戸を開けて、中を確認した。
箱の中には複数の短い木の棒が、何かの模様を描くように置かれている。
「なるほど、これは姦姦蛇螺(かんかんだら)だな……」
「姦姦蛇螺ですか?」
「ああ、インターネット上の都市伝説で有名な怪異だ。その昔、大蛇に食べられた巫女がその大蛇と一体化して怪異となったものだ」
禁足地である帰らずの森は、一度入ったら二度と出られないと言われている。
「先生、思ったより薄暗い場所ですねー」
「木々が生い茂っているからな。太陽の光が遮られてしまうんだ」
ちりん、ちりん。
ふいに鈴の音が鳴った。
「え、何? 先生、なんでこんなところで鈴の音が聞こえるんですかー!?」
驚いたサキは九十九の腕にしがみついた。
「サキ君、あれをみてごらん」
「なんなんです、あれはー」
サキか九十九が指差す先の方を見ると、木と木の間に鈴がついたロープが張り巡らされていて、鈴が鳴っていた。
ちりん、ちりん、ちりん、ちりん。
二人がロープに近づくにつれて、鈴の音は大きくなり、ロープも激しく揺れだした。
「そんな、風も吹いてないのにどうして?」
「この鈴は私たちに警告しているんだ。ここから先へ進むのは危険だとね。おそらくここに作られた結界の一部なんだろう」
「結界……ですか?」
「ああ、この森が禁足地になっているのは、ここが結界として機能しているからなんだろう。この中にいる怪異をこの場所へ押し留めているのさ」
「なるほど、そういうことだったんですねー」
「サキ君。君も感じているだろうけど、ここに来てからずっと、誰かに見られているような感覚がある。気をつけて進もう」
しばらく進むと、沢山の鉄柵が設置されており、柵の向こう側への進入を妨げていた。
「これも結界の一部なのかしら。ここから先へは進入するなってこと?」
「サキ君。おそらくまりえはここを乗り越えて中に進入しているよ。これを見てくれ」
「これは!」
まりえの来ていた服についていたボタンが、鉄柵によし登った時に引っかかったのか、鉄柵のすぐ下に落ちていた。
「どうやら彼女がこの先に進んでいったのは間違いないようだね」
二人は森の奥へと進んでいったが、まるで迷いの森のように、同じような場所を延々と歩いているような感覚に陥っていた。
「先生、さっきからずっと同じような場所をぐるぐる回っている気がしますー」
『どうやらこの森自体も怪異の影響を受けているようだな。進入者を惑わせようとしている。俺が怪異の臭いを辿って道を教えてやるよ』
『ああ、頼むよゼロ。まりえが心配だからな。一秒でも早く怪異と接触したい』
『任せてくれ。あ、そこにデカい木があるだろ。その木を右に進んでくれ』
「サキ君。私が怪異の臭いを辿ってみるよ。ついて来てくれ」
「はーい」
九十九たちは怪異の臭いを辿ることで、森の最深部まで到達することができた。
森の最深部には、六本の大木があった。
その大木には、しめ縄がくくってあり、その中央には台座があり、不思議な模様の彫られた木箱が置かれていた。
「この大木と、木箱は、まさか……」
九十九は、木箱に近づくと、裏側にあった引き戸を開けて、中を確認した。
箱の中には複数の短い木の棒が、何かの模様を描くように置かれている。
「なるほど、これは姦姦蛇螺(かんかんだら)だな……」
「姦姦蛇螺ですか?」
「ああ、インターネット上の都市伝説で有名な怪異だ。その昔、大蛇に食べられた巫女がその大蛇と一体化して怪異となったものだ」
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