変身ダンジョンヒーロー! 正体不明の特撮ヒーローとして活躍するはずが、配信切り忘れで有名女配信者を助けてしまい、初回から身バレしてしまう

まさキチ

文字の大きさ
上 下
49 / 57

049 池袋東口ダンジョン(2)

しおりを挟む
「最低でも四刀流、それ以上に挑戦したいと思いますよね?」

”は?”
”え?”
”なに言ってんの?”
”ちょっとなに言ってるかわかんなかった”
”耳から入った音を脳が拒むwww”

”少ないってそっちの方w”
”いや、四刀流とか不可能だろw”
”フィクションだから三刀流できたわけでw”
”それ以上に挑戦www”
”アシュラマンかな?”
”さすがにひでおでもそれは……”

「一番簡単な四刀流として、クアッドスケルトンみたいに腕が四本あれば誰でも出来ますよね。ですが、人間は腕を増やせないのです」

”そりゃなw”
”「まずは腕を生やします」じゃなくて良かったw”
”ひでおにしては普通の発言で逆にビビったww”

「そこで、ヒーロースーツにそんな機能を付けられないか助けるマンに訊いてみたのですが」

”なんかそんな配信者を見たことある”
”ガジェットで義手みたいなので腕四本にしてた”
”ひでおもそのパターンか?”
”助けるマンなら作れるだろうしな”

「助けるマンの答えは『出来なくはないけど、それ必要?』でした」

”助けるマン的確すぎるw”
”バッサリ切り捨てられたww”
”ヒーローに関係ないしwww”

”そして作ろうと思えば作れる助けるマン”
”頼んだら、一日で作ってくれそう”
”助けるマン、俺の彼女を作ってくれ!”
”↑出来なくはないけど、それ必要?”
”草”
”www”
”wwwww”
”酷くない?”

「たしかに、その通りですよね。完全に僕の趣味ですし。それに腕を増やすという解決法にも問題が残ってます」

”ふむふむ”
”ああ、そうそう”
”あれか!”
”↑絶対に分かってないw”

「それは腕を増やす方法だと、腕の数までしか剣を握れないということです」

”そりゃそうだ”
”いたって普通の発言だな”

「指の間に複数本挟めば刀を複数持てますが、それなら鉤爪《バル□グ》でも装備した方がよっぽどマシです」

”学校で鉛筆を挟んで真似したなあw”
”カーテンよじ登って飛んでみたw”
”ヒョーー”
”俺の世代はウ○ーズマンだったな”

「腕を増やす方法では、五刀流、六刀流と増やすには、その度に腕を増やさなきゃならないので非効率ですよね」

”おっ、おう”
”まあな”
”四刀流をしようとしてるヤツが非効率とか(笑)”

「そこで、二本の腕で四刀流を実現するにはどうすれば良いか、考えて、練習して、なんとか使えるようになりました」

”考えて、練習すると、なんとか使えるらしい”
”それでできたら誰も苦労しない”
”ひでおだからなあ”
”まず、四刀流をやりたいという時点で間違っているし、出来る方法を考えるのもおかしいし、練習するのもわけわかんないし、使えるようになるのが意味不明”
”常人とは歩む道が違うんだよな”

「それが嬉しかったので、皆さんに見てもらいたいというのが、今回の配信です」

”渾身のニッコニコ笑顔”
”癒やされる~”
”こんな笑顔見せられたら、コッチまで幸せになるわ”
”やろうとしてることクレイジーだけどなw”

「今日、使うのはクアッドスケルトンが落とした四本の剣――『死骨剣』という名前だそうです。四刀流を試そうと思ったのは神保町ダンジョンでこれをゲットしたからです」

”ああ、あんときの縛りプレイw”
”↑縛りプレイって?”
”↑剣を壊さないように敵の攻撃全回避で腕を砕いた”
”クアッドスケルトンってそんな方法で勝てるんですか?”
”そもそも、ソロで勝てる相手じゃない”
”『十二騎』の五人でも、まったく相手にならなかった”
”本当にそんなことできるんですか?”
”ひでおだから”
”ひでおだから”
”ひでおだから”
”ひでおだから”
”ひでおだから”
”あり得ないと思ったら、アーカイブ観れば良い。答えはそこにある”

”もし、ドロップが6本だったら、六刀流を狙ってたんだろうな”
”あり得るw”
”普通にやりそうw”

「それで試す相手ですが、できれば同武器のクアッドスケルトンが良かったのですが――」

”クアッドスケルトンが練習台w”
”クアッドスケルトン「えっ、ボク?」”
”これ以上、クアッドスケルトンを虐めないでwww”

「クアッドスケルトンはエンカウント率が低いので、ライブ配信には向かないんですよね」

”練習台のために狩られるクアッドスケルトン”
”イレギュラーってなんだっけ?”
”そんなにぽこぽこエンカして堪るかwww”

「そこで、活きの良いモンスターを用意しておきました。こちらです――」

 配信端末を反転させ、そのモンスターを映す。

「はい、ギガントオーガです」

 額に2本のツノが生えた鬼。
 体長は2メートルとさほど大きくはない。
 その分筋肉は分厚く、四本の腕が生えている。

”こわいこわい”
”画面越しに殺気が伝わってくる。”
”おちっこ漏れそう”
”もう漏れた”
”クアッドスケルトンより強くね?”
”ギガントオーガなんて聞いたことない”
”オーガの最上位種か?”

「こいつも四本腕の四刀流。クアッドスケルトンの上位互換ですね」

”いやいやいや”
”サラッととんでもない発言”
”こんな強いモンスターが配信されるの初めてじゃね?”
”本題の前にとんでもないことやらかすのがひでお配信”
”ここ切り抜きだけで軽く百万再生越えるだろw”
”また協会からなんか言われそう”

「ええ、今は鎖で縛っているので、動けません」

”ホントだ”
”ガチガチに縛られてる”
”まったく動けないな”
”唸り声上げてるだけ”
”その声だけで、鳥肌が凄いことになってる”
”俺も怖くてディスプレイから離れた”
”気持ちはよく分かる”

「やっぱり、皆さん、おわかりですよね。この鎖も助けるマンが作ってくれました」

”知ってた”
”またまたとんでもないガジェットを”
”助けるマンなら余裕”
”助けるマン「仕事の合間に作っておいたぞ」”
”二人ともサラッととんでもない化け物だよな”

「彼も四刀流なので、丁度いい対戦相手です」

”×対戦相手 ○練習台”
”ギガントオーガに同情するわ”
”腕が四本あるだけで目を付けられてかわいそう”
”ギガントオーガ、ジャイアントキリングを見せてくれ!”
”ひでお配信はモンスターを応援したくなるよね”

「本来は深層中部に生息するモンスターです」

”深層中部?”
”ソロで深層中部w”
”むちゃくちゃレアな配信じゃん”
”ガチ勢も注目してるだけある”
”どうりで誰もギガントオーガを知らないわけだ”

「ただ、深層中部は結構モンスターが出るから、ジャマされて撮影に向かないんですよね」

”撮影に向かない深層中部www”
”モンスターがジャマだからwww”

”深層中部で全力狩り動画観たい!”
”そういう無双動画も観てみたよな”
”ヒーローも良いけど、ガチバトルも観たい”

「なので、ここ深層入り口付近まで引っ張ってきました」

”意味不明w”
”理解不能w”
”深層でやることじゃないwww”
”モンスター釣りもテクニックだけどさあ、言葉の使い方絶対に間違っている”
”モンスター釣りってなんですか?”
”一人が囮になって、モンスターを戦いやすい場所まで引っ張ってきて、数人でボッコする戦術”
”ひでおの場合は鎖で雁字搦めにして、引きずってきたんだろうな”
”ひでお「物理で引っ張ってきました」”
”やっぱり、かわいそう”

”でも、この場所だってモンスター出るだろ?”
”安置か?”
”ひでおだから余裕そうにしてるけど、深層は浅いところでも油断したら即死”

「あっ、それは大丈夫です。ここら辺のモンスターは間引きしておきましたので、1時間くらいはモンスターが出現しないです」

”深層で間引きw”
”大量虐殺だろw”
”あいかわらず意味不明で草”
”他の探索者、今がチャンスだぞ”
”誰か見に行ってくれ”
”いや、そんな気軽な場所じゃないしwww”

「というわけで、さっそく四刀流を試してみます」
【後書き】
次回――『池袋東口ダンジョン(3)』
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

処理中です...