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020 神保町ダンジョン(5)
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――ズドォォォン。
「なんだ?」
ダンジョンが揺れる。
濃密な殺気。
これは――。
「イレギュラーだ」
イレギュラー。通常は出ないはずのモンスターが登場する事象だ。
しかも、今回は――肌がピリピリする。
並大抵の相手ではない。
「皆、済まない。しばらくコメント欄を見てる余裕がない」
”お、おう”
”今まではコメ欄見てたのか”
”コメ欄見ながら戦ってました”
”でも、リザードマン10体のときも見てたくらいなんだから、今回、ガチでやばくね?”
”ヒーロー、頑張れ”
”ヒーローなら、勝てる!”
”絶対に死ぬなよ!”
”格好いいとこ見せてくれ!!”
俺は配信端末から視線をそらし、向こうから迫ってくるソレに集中する。
「あっ、あれは……」
「まさか……」
「チッ…………四剣骸骨《クアッドスケルトン》かよ」
俺以外の皆が険しい顔になる。
虎夫は名前を知っていたようだ。
――クアッドスケルトン。
身長3メートルを超えるスケルトン。
その名の通り、左右二本ずつ、四本の腕にそれぞれ剣を構えている。
初めて見るが、深層レベルのモンスターに間違いない。
「おい、ここは俺たちが食い止める。お前らは撤退しろ」
「ヒーローが誰かを置いて逃げることはあり得ない」
「逃げるんじゃねえよ。他の探索者たちを避難させろってんだ」
虎夫の言うことは一理ある。
だが、俺がここでクアッドスケルトンを倒せば、なんの問題もない。
「俺たちが時間を稼ぐ。ガキンチョはこんなところで無駄死にするんじゃねえ」
だが、俺は首を横に振る。
『十二騎』の彼らが勝てる保証はない。
しかし、ヒーローの俺ならば――。
「『らんらん探検隊』のみんな、避難誘導は任せた」
「でも、ダンジョンヒーローさんは?」
「さっきも言った。俺は逃げない」
「わっ、わかりました。ご武運を!」
彼女たちは俺たちを気にしながら、去って行った。
さて、残された俺たちは――。
「肝が据わってるのか、バカなのか。好きにしやがれ」
「手を貸そうか」
「……いらん」
「そうか、必要ならいつでも声をかけてくれ」
俺は彼らの意思を尊重し、離れた場所で戦いを見守る。
先ほどのスケルトンリーダー戦と同じく、『十二騎』の五人はクアッドスケルトン取り囲む。
さっきよりも距離を取っているのは、クアッドスケルトンのリーチが長いからだろう。
クアッドスケルトンの強みはリーチだけではない。
剣は四本あるし、どれも長く、重い。
当たり所が悪ければ、それだけで致命傷――命を落とすこともある。
彼らもそう簡単にはやられないと思うが……。
戦いたくなる気持ちを必死で堪える。
ヒーローの出番は…………まだだ。
――ごおおおおおお。
クアッドスケルトンが吠える。
並の探索者なら、それだけでビビって動けなくなるだろう。
しかし、彼らは動じない。
クアッドスケルトンの間合いギリギリで構え、隙を窺っている。
すでに死を覚悟した顔だ。
たとえ勝てなくても、一秒でも時間を稼いでやる――その思いが熱量をもって伝わってくる。
俺は拳をグッと握りしめた。
ジリジリとした睨み合いが続く。
虎夫たちにとっては初見の相手。
どう攻めてくるかが分からない。
なので後手に回らざるを得ない。
クアッドスケルトンが動いた――。
右足を踏み出し。
二本の右腕を背中まで引き。
二剣を横薙ぎに斬《ザン》ッ!
狙われた男は警戒していたおかげで、バックジャンプで回避に成功。
だが、クアッドスケルトンの動きは止まらない。
その勢いのまま。
左の二剣も横薙ぎ。
独楽《コマ》のように。
クルクルと回転し始めた。
「なっ!?」
この攻撃方法は想定しなかったようで、『十二騎』の動きが止まる
とはいえ、戦闘経験が豊富な彼らはすぐに防御態勢に切り替えた
だが――。
その一瞬の隙が命取りだ。
一段階も二段階も、いや、それ以上の格上相手。
真っ正面からぶつかってしまえば、弾き飛ばされるだけだ。
防御の上から斬撃を叩きつけられ。
両腕が砕かれ。
肋《あばら》が何本も折れ。
身体ごと吹き飛ばされる。
一人、二人、三人――。
命は無事みたいだが、たった一回の攻撃で三人が戦闘不能になった。
立っているのは虎夫ともう一人の男だけだ。
俺は虎夫に視線を送る。
彼も俺を見るが、すぐに視線はそらされた。
「虎夫!」
呼びかけても返事は帰ってこない。
クアッドスケルトンは回転を止める。
余裕だと見くびっている態度だ。
「クソッタレッ!!」
虎夫がクアッドスケルトンの背後から迫り、渾身の一撃を放つが――ガンッ。
いとも簡単に、一本の剣で受け止められてしまう。
そして、クアッドスケルトンは一歩、二歩。
もう片方の男に歩み寄り、振り上げた剣で――。
男の右腕が飛び。
血しぶきが舞う。
殺せたはずだ。
コイツ、甚振《いたぶ》る気か。
「徹哉《てつや》ッ!」
虎夫が吠える。
必死の形相で。
倒れ込んだ徹哉に向かってクアッドスケルトンは剣を振り上げ――。
「ヒッ」
怯えた徹哉は目を閉じる。
クアッドスケルトンの剣が振り下ろされ――。
――ガン。
徹哉は目を開けて知る。
自分が斬られていないことを。
そして、かばうように立つ男が血潮に染まっていることを。
徹哉は一命を取り留めた。
虎夫が身を挺したからだ。
だが、その代償は小さくない。
虎夫の胸は大きく斬り裂かれていた。
「虎夫ッ!」
「すまねえ、助けてくれ」
俺の呼びかけに、虎夫は弱々しい返事をする。
「よくやった。後はダンジョンヒーローに任せろッ!」
俺はクアッドスケルトンに向かって駈け出し――。
「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」
思いっきり勢いをつけて、跳び蹴りを放つ。
――ガアアアアアン。
激しい音とともに、クアッドスケルトンを蹴り飛ばす。
「探索者を脅かす、悪しきモンスターよ。ダンジョンヒーローが相手だ。覚悟しろッ!」
【後書き】
次回――『神保町ダンジョン(6)』
「なんだ?」
ダンジョンが揺れる。
濃密な殺気。
これは――。
「イレギュラーだ」
イレギュラー。通常は出ないはずのモンスターが登場する事象だ。
しかも、今回は――肌がピリピリする。
並大抵の相手ではない。
「皆、済まない。しばらくコメント欄を見てる余裕がない」
”お、おう”
”今まではコメ欄見てたのか”
”コメ欄見ながら戦ってました”
”でも、リザードマン10体のときも見てたくらいなんだから、今回、ガチでやばくね?”
”ヒーロー、頑張れ”
”ヒーローなら、勝てる!”
”絶対に死ぬなよ!”
”格好いいとこ見せてくれ!!”
俺は配信端末から視線をそらし、向こうから迫ってくるソレに集中する。
「あっ、あれは……」
「まさか……」
「チッ…………四剣骸骨《クアッドスケルトン》かよ」
俺以外の皆が険しい顔になる。
虎夫は名前を知っていたようだ。
――クアッドスケルトン。
身長3メートルを超えるスケルトン。
その名の通り、左右二本ずつ、四本の腕にそれぞれ剣を構えている。
初めて見るが、深層レベルのモンスターに間違いない。
「おい、ここは俺たちが食い止める。お前らは撤退しろ」
「ヒーローが誰かを置いて逃げることはあり得ない」
「逃げるんじゃねえよ。他の探索者たちを避難させろってんだ」
虎夫の言うことは一理ある。
だが、俺がここでクアッドスケルトンを倒せば、なんの問題もない。
「俺たちが時間を稼ぐ。ガキンチョはこんなところで無駄死にするんじゃねえ」
だが、俺は首を横に振る。
『十二騎』の彼らが勝てる保証はない。
しかし、ヒーローの俺ならば――。
「『らんらん探検隊』のみんな、避難誘導は任せた」
「でも、ダンジョンヒーローさんは?」
「さっきも言った。俺は逃げない」
「わっ、わかりました。ご武運を!」
彼女たちは俺たちを気にしながら、去って行った。
さて、残された俺たちは――。
「肝が据わってるのか、バカなのか。好きにしやがれ」
「手を貸そうか」
「……いらん」
「そうか、必要ならいつでも声をかけてくれ」
俺は彼らの意思を尊重し、離れた場所で戦いを見守る。
先ほどのスケルトンリーダー戦と同じく、『十二騎』の五人はクアッドスケルトン取り囲む。
さっきよりも距離を取っているのは、クアッドスケルトンのリーチが長いからだろう。
クアッドスケルトンの強みはリーチだけではない。
剣は四本あるし、どれも長く、重い。
当たり所が悪ければ、それだけで致命傷――命を落とすこともある。
彼らもそう簡単にはやられないと思うが……。
戦いたくなる気持ちを必死で堪える。
ヒーローの出番は…………まだだ。
――ごおおおおおお。
クアッドスケルトンが吠える。
並の探索者なら、それだけでビビって動けなくなるだろう。
しかし、彼らは動じない。
クアッドスケルトンの間合いギリギリで構え、隙を窺っている。
すでに死を覚悟した顔だ。
たとえ勝てなくても、一秒でも時間を稼いでやる――その思いが熱量をもって伝わってくる。
俺は拳をグッと握りしめた。
ジリジリとした睨み合いが続く。
虎夫たちにとっては初見の相手。
どう攻めてくるかが分からない。
なので後手に回らざるを得ない。
クアッドスケルトンが動いた――。
右足を踏み出し。
二本の右腕を背中まで引き。
二剣を横薙ぎに斬《ザン》ッ!
狙われた男は警戒していたおかげで、バックジャンプで回避に成功。
だが、クアッドスケルトンの動きは止まらない。
その勢いのまま。
左の二剣も横薙ぎ。
独楽《コマ》のように。
クルクルと回転し始めた。
「なっ!?」
この攻撃方法は想定しなかったようで、『十二騎』の動きが止まる
とはいえ、戦闘経験が豊富な彼らはすぐに防御態勢に切り替えた
だが――。
その一瞬の隙が命取りだ。
一段階も二段階も、いや、それ以上の格上相手。
真っ正面からぶつかってしまえば、弾き飛ばされるだけだ。
防御の上から斬撃を叩きつけられ。
両腕が砕かれ。
肋《あばら》が何本も折れ。
身体ごと吹き飛ばされる。
一人、二人、三人――。
命は無事みたいだが、たった一回の攻撃で三人が戦闘不能になった。
立っているのは虎夫ともう一人の男だけだ。
俺は虎夫に視線を送る。
彼も俺を見るが、すぐに視線はそらされた。
「虎夫!」
呼びかけても返事は帰ってこない。
クアッドスケルトンは回転を止める。
余裕だと見くびっている態度だ。
「クソッタレッ!!」
虎夫がクアッドスケルトンの背後から迫り、渾身の一撃を放つが――ガンッ。
いとも簡単に、一本の剣で受け止められてしまう。
そして、クアッドスケルトンは一歩、二歩。
もう片方の男に歩み寄り、振り上げた剣で――。
男の右腕が飛び。
血しぶきが舞う。
殺せたはずだ。
コイツ、甚振《いたぶ》る気か。
「徹哉《てつや》ッ!」
虎夫が吠える。
必死の形相で。
倒れ込んだ徹哉に向かってクアッドスケルトンは剣を振り上げ――。
「ヒッ」
怯えた徹哉は目を閉じる。
クアッドスケルトンの剣が振り下ろされ――。
――ガン。
徹哉は目を開けて知る。
自分が斬られていないことを。
そして、かばうように立つ男が血潮に染まっていることを。
徹哉は一命を取り留めた。
虎夫が身を挺したからだ。
だが、その代償は小さくない。
虎夫の胸は大きく斬り裂かれていた。
「虎夫ッ!」
「すまねえ、助けてくれ」
俺の呼びかけに、虎夫は弱々しい返事をする。
「よくやった。後はダンジョンヒーローに任せろッ!」
俺はクアッドスケルトンに向かって駈け出し――。
「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」
思いっきり勢いをつけて、跳び蹴りを放つ。
――ガアアアアアン。
激しい音とともに、クアッドスケルトンを蹴り飛ばす。
「探索者を脅かす、悪しきモンスターよ。ダンジョンヒーローが相手だ。覚悟しろッ!」
【後書き】
次回――『神保町ダンジョン(6)』
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