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ご飯は何?
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「綺麗なマンション……」
秋奈は整頓され、落ち着いた色調の家具に囲まれたリビングを見回した。
そっと床におろされた秋奈。
あのあと、スファンがミキを抱っこしたまま、ジョンハは優花を抱っこして、スファンの家なのか、大きなマンションに連れてこられた。
秋奈を運んでくれたハンウ。
車の中では膝から降りて横に座った。
ちらりと見られたら気もするけど、申し訳なくて。ネット情報によると犬派みたいだし。
マンションに着いて、運んでくれたハンウの背中にありがとうと思わず言ったら、不思議そうに振り返ってきた。
すたすたと寄ってくる。
目の高さままでしゃがむ。
な、何!? 何かやばいこと言った?
「今、お礼言った?」
えっ? まさか私、人間の言葉喋ってるの?
「何、猫に話してんの」
ジョンハがおもしろそうに顔を寄せてくる。
秋奈と並ぶように優花を降ろすとスファンに顔を向けた。
「お腹減ってるんじゃないかなあ。何かある?」
「ご飯なあ。今はこっちで何も飼ってないから、何も置いてないんだよな」
「うちもだけど、買ってこようか?」
スファンに抱っこされたままのミキはトロンとした目のままスファンの横顔を眺めてるし、気遣うジョンハの言葉に優花は感動のまなざしを向けてるし。
猫になって飼ってもらいたい。
なんて嘘みたいな希望が叶ってるんだけど。
これって感謝するべきなのかな? 誰に?
と、考え込んでいる秋奈の耳に「キャットフード」と言う言葉が飛び込んできた。
「どうしようかな。キャットフードないしな」
スファンはミキを肩にもたれさせるようにして冷蔵庫をのぞくと牛乳を取り出した。
キャットフード!?
思わず秋奈と優花は顔を見合わせた。ミキも覚醒したようにこっちを凝視している。
いくらなんでもキャットフードはやめてほしい。
「そういうのはやめて!」
「普通のご飯でいいから!」
「キムチ乗せてくれるだけでいーから!」
「何ニャアニャア言ってんの?」
ジョンハが目をぱちくりとさせながらこっちを見ている。
「そんなに腹減ったの? ご飯ぐらいしかないけどいいかなあ」
弱った顔のスファンにミキは一生懸命うなづいてるけど猫のしぐさとしてはどうなの?
「ご飯でいいんじゃない?」
こちらをじっと見ていたハンウが何でもないように言う。
「そうだな、とりあえず」
スファンはジャーからご飯を3枚の小皿により分けて床に置いた。
よ、よかった。
ホッとしたミキと優花はご飯に駆け寄り、秋奈もそのあとに続いた。
通り過ぎようとした足元、ハンウのジーンズにちょっとだけすり寄って感謝の意を表した。
お辞儀はできないし、猫ってこういう表現だよね。
またもやこっちをじっと見ていたハンウは立ち上がると、
「ヒョン、この子たちご飯が好きなんじゃない?」
「そうか?」
「そうだね、うれしそうに食べてるし」
私達3匹ががっついている姿を見ていたジョンハが同意した。
「無理にキャットフードかわなくてのいいんじゃない?」
「何だかこの子らの事、よくわかってるみたいだなあ」
スファンは不思議そうな顔をハンウに向けた。
「お前、犬派と思ってたけど」
「ん? そうなのかな。何となくそんな気がしたんだけど」
ハンウ自身も不思議なのか、頭に手をやって秋奈の方を見ている。
振り向いた秋奈は目が合ってしまい、焦ってご飯に顔を戻した。
秋奈は整頓され、落ち着いた色調の家具に囲まれたリビングを見回した。
そっと床におろされた秋奈。
あのあと、スファンがミキを抱っこしたまま、ジョンハは優花を抱っこして、スファンの家なのか、大きなマンションに連れてこられた。
秋奈を運んでくれたハンウ。
車の中では膝から降りて横に座った。
ちらりと見られたら気もするけど、申し訳なくて。ネット情報によると犬派みたいだし。
マンションに着いて、運んでくれたハンウの背中にありがとうと思わず言ったら、不思議そうに振り返ってきた。
すたすたと寄ってくる。
目の高さままでしゃがむ。
な、何!? 何かやばいこと言った?
「今、お礼言った?」
えっ? まさか私、人間の言葉喋ってるの?
「何、猫に話してんの」
ジョンハがおもしろそうに顔を寄せてくる。
秋奈と並ぶように優花を降ろすとスファンに顔を向けた。
「お腹減ってるんじゃないかなあ。何かある?」
「ご飯なあ。今はこっちで何も飼ってないから、何も置いてないんだよな」
「うちもだけど、買ってこようか?」
スファンに抱っこされたままのミキはトロンとした目のままスファンの横顔を眺めてるし、気遣うジョンハの言葉に優花は感動のまなざしを向けてるし。
猫になって飼ってもらいたい。
なんて嘘みたいな希望が叶ってるんだけど。
これって感謝するべきなのかな? 誰に?
と、考え込んでいる秋奈の耳に「キャットフード」と言う言葉が飛び込んできた。
「どうしようかな。キャットフードないしな」
スファンはミキを肩にもたれさせるようにして冷蔵庫をのぞくと牛乳を取り出した。
キャットフード!?
思わず秋奈と優花は顔を見合わせた。ミキも覚醒したようにこっちを凝視している。
いくらなんでもキャットフードはやめてほしい。
「そういうのはやめて!」
「普通のご飯でいいから!」
「キムチ乗せてくれるだけでいーから!」
「何ニャアニャア言ってんの?」
ジョンハが目をぱちくりとさせながらこっちを見ている。
「そんなに腹減ったの? ご飯ぐらいしかないけどいいかなあ」
弱った顔のスファンにミキは一生懸命うなづいてるけど猫のしぐさとしてはどうなの?
「ご飯でいいんじゃない?」
こちらをじっと見ていたハンウが何でもないように言う。
「そうだな、とりあえず」
スファンはジャーからご飯を3枚の小皿により分けて床に置いた。
よ、よかった。
ホッとしたミキと優花はご飯に駆け寄り、秋奈もそのあとに続いた。
通り過ぎようとした足元、ハンウのジーンズにちょっとだけすり寄って感謝の意を表した。
お辞儀はできないし、猫ってこういう表現だよね。
またもやこっちをじっと見ていたハンウは立ち上がると、
「ヒョン、この子たちご飯が好きなんじゃない?」
「そうか?」
「そうだね、うれしそうに食べてるし」
私達3匹ががっついている姿を見ていたジョンハが同意した。
「無理にキャットフードかわなくてのいいんじゃない?」
「何だかこの子らの事、よくわかってるみたいだなあ」
スファンは不思議そうな顔をハンウに向けた。
「お前、犬派と思ってたけど」
「ん? そうなのかな。何となくそんな気がしたんだけど」
ハンウ自身も不思議なのか、頭に手をやって秋奈の方を見ている。
振り向いた秋奈は目が合ってしまい、焦ってご飯に顔を戻した。
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