目標:撤収

庭にハニワ

文字の大きさ
上 下
158 / 374

リーランさんは苦労性かも。

しおりを挟む
兵隊どものところに、まんまとロシアン餃子投入。
1人が大当たりを引いて、周りの兵隊どもは大笑い。

成功だな。

そして大騒ぎする当たりを引いた兵士。
リーランさんが原因を追求しようと……。

やべ。

どーすっかな~……と思っていたら、ミヤさんがしれっと大ウソついてゴマかしに入った。



「ゲーム用に作った料理?」

リーランさんは、小首を傾げて……かわいい。
そんなリーランさんに、ざっくりとロシアン餃子の説明をしたミヤさんは。

「僕らも少しぐらい遊んでもいいでしょう?」

と、にっこり笑顔のオマケ付きで締めくくった。

そしたら関係無いところからため息が……。
料理を取りに来たギルド員の……野郎が潤んだ目でミヤさんを見つめていた。

……キモっ。

見なかったことにしよう。

さ~ギョーザギョーザ。
焼いて揚げたから、次は茹でて蒸すか!

スズよ~、リドラさんのところにテキトーに焼き餃子と揚げ餃子、取り分けて持ってってやって。
どーせギルド長も横からツマむだろーから、ちょい多めにな。

「おっけ~♪」

軽い返事を残して、スズはさっさとリドラさんのところへ逃げてった。
そして兵士毒物摂取事件(?)がなんとなくうやむやになったところで、リーランさんにも餃子提供。
ほ~ら蒸したてアツアツの蒸し餃子だぞ~。

「おいし~♪」

と、笑顔の雰囲気で──毛皮に包まれてるパンダの表情なんか分かんないって──食べている。
ん~……中華系の動物が中華料理食ってんのって、違和感ねーな。
……今度中華まん作って差し入れしよう。
笑顔(多分)のパンダが中華まんを食う。
……うん。
違和感仕事しないわ。



茹でたて水餃子とアツアツ蒸し餃子を堪能したリーランさんは。

「じゃ、ちょっとあの子達に説明してくるよ~。……あ~でも~、酒入ってるからシラフの上司の人に言った方がいいかな~……」

と言いながら、しぶしぶ去っていった。

……ギルド長がリドラさんに貼りついてるしわ寄せが、全部リーランさんに行ってると見た。

御愁傷様。
なんとなく合掌。
強く生きろよ。

そんなことをやってるうちに、料理人達はさりげなく交代していたらしい。
提供している料理は、いつの間にか揚げ物や焼き物だけじゃなく、各料理人が好き放題に作っているよーだ。

……そーいや夕方に始めたのに、今じゃそこらで魔灯火が灯ってるよな。
文字通り魔素で灯す街灯みたいなモンだ。
それが灯ってるってことは、さ?
かなり結構遅い時間ってことじゃね?
料理しながらつまみ食いしてたから、腹はそんなに減っちゃいないが。

なあ、ミヤさん?
いい加減くたびれたんで、食材ごそっと置いたら俺ら、戻ってもいいんじゃね?
この勢いなら、ヤバめの食材──俺らのランクで討伐出来るワケが無い、ヤバいヤツ──とか置いてってもいいと思う。
あと、ギルド長らとのお食事会の時に作った料理のあまりとか。

ぶっちゃけると余計に作った料理の数々、異次元倉庫に片付ける時に……間違えたんだよ。
普通にキープし続けるだけの指輪バージョンに仕舞うつもりで、1日一回中のモノが倍増する腕輪バージョンに入れ間違えた。
正直、食っても食っても無くならないってことで。
一回どさ~っと全部出して、カラにしたい。

「……そんなにあるのかい? 3日に一回増えるんじゃなかったっけ?」

ミヤさんは、ちょっと呆れ顔だ。

ヘビ様にもらった当初はそーだったんですけどね。
気付いたら、毎日倍増になってまして……。

「ねぇ、それって……ひょっとして、料理人いらなかったんじゃないのかな?」

実は俺もそう思った。
けどさ?
ある程度の人数で料理してないと、急に料理が増えたりしたら、ゴマかしきかないんじゃないかな~って。

そんな話をミヤさんとこそこそっと話してたら、リッカさんがさりげなくワガママかましてきた。

「普通のごはんを提供するのは構わないけど、デザート類はダメよ! 私が食べるもの。あのチーズケーキ、最高だったわ!」

あ、そーですか。
そりゃどーも。

……ついでだ。
白い枕にしか見えない塩釜焼きは、ギルド長のところに押し付けよう。
リドラさん、結構気に入ってたみたいだしな。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界で勇者をやって帰ってきましたが、隣の四姉妹の様子がおかしいんですけど?

レオナール D
ファンタジー
異世界に召喚されて魔王を倒す……そんなありふれた冒険を終えた主人公・八雲勇治は日本へと帰還した。 異世界に残って英雄として暮らし、お姫様と結婚したり、ハーレムを築くことだってできたというのに、あえて日本に帰ることを選択した。その理由は家族同然に付き合っている隣の四姉妹と再会するためである。 隣に住んでいる日下部家の四姉妹には子供の頃から世話になっており、恩返しがしたい、これからも見守ってあげたいと思っていたのだ。 だが……帰還した勇治に次々と襲いかかってくるのは四姉妹のハニートラップ? 奇跡としか思えないようなラッキースケベの連続だった。 おまけに、四姉妹は勇治と同じようにおかしな事情を抱えているようで……? はたして、勇治と四姉妹はこれからも平穏な日常を送ることができるのだろうか!? 

最強スキル『忍術』で始めるアサシン教団生活

さとう
ファンタジー
生まれつき絶大な魔力を持つハーフィンクス公爵家に生まれた少年、シャドウ。 シャドウは歴代最高と言われるほど絶大な魔力を持っていたが、不幸なことに魔力を体外に放出する才能が全くないせいで、落ちこぼれと呼ばれ冷遇される毎日を送っていた。 十三歳になったある日。姉セレーナ、妹シェリアの策略によって実家を追放され、『闇の森』で魔獣に襲われ死にかける。 だが、シャドウは救われた……世界最高峰の暗殺者教団である『黄昏旅団』最強のアサシン、ハンゾウに。 彼は『日本』から転移した日本人と、シャドウには意味が理解できないことを言う男で、たった今『黄昏旅団』を追放されたらしい。しかも、自分の命がもう少しで尽きてしまうので、自分が異世界で得た知識を元に開発した『忍術』をシャドウに継承すると言う。 シャドウはハンゾウから『忍術』を習い、内に眠る絶大な魔力を利用した『忍術』を発動させることに成功……ハンゾウは命が尽きる前に、シャドウに最後の願いをする。 『頼む……黄昏旅団を潰してくれ』 シャドウはハンゾウの願いを聞くために、黄昏旅団を潰すため、新たなアサシン教団を立ちあげる。 これは、暗殺者として『忍術』を使うアサシン・シャドウの復讐と、まさかの『学園生活』である。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! ★恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 連載希望のコメントをいただきましたので、 連載に向け準備中です。 *他サイトでも公開中 日間総合ランキング2位に入りました!

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました

mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。 ーーーーーーーーーーーーー エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。 そんなところにある老人が助け舟を出す。 そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。 努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。 エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

処理中です...